協同組合秋田さけぷらざ 今回は、融合化組合、協同組合秋田さけぷらざ(秋田市)理事長で、株式会社エムアンドエム代表取締役社長の佐々木正光氏にご登場願いました。 はじめに「生酒鮮度維持システム」を開発しようと思ったきっかけをお聞かせ下さい。 (協)秋田さけぷらざは、秋田県内の異業種5社が集まって、「ビアホールに代わる酒の文化を伝える場所を提供する」との目的で平成7年に設立。通産省の中小企業創造活動促進法認定(テーマ:特定名称酒の劣化防止生産システムの研究開発)を受け、同年度より3年間、融合化開発促進事業補助金を活用し、県の醸造試験場からの指導を得ながら、生酒の劣化を防止する技術の確立を目指して研究開発を進めてきました。今回開発したのは、生酒中の酸素を除く置換装置です。 「生酒鮮度維持システム」の開発で、苦労なさったことなどありますか。 製品を検討をしている段階では、様々な業種の方々がおりますので、活発な意見交換が行われました。しかし、実際に製品化するにあたって、各々の会社の経営の合間をぬって協力していくことはとても困難で、結果的にエムアンドエムが中心となって今回の試作品の完成にこぎつけることができました。 「生酒鮮度維持システム」の目的についてお聞かせ下さい。 このシステムは、清酒メーカーで作られた生酒に、酸素除去処理を施し、それを瓶または専用樽詰めにして出荷するほか、飲食店などで処理済みの生酒を専用の清酒サーバーを利用して消費者に提供するものです。生酒は熱処理していないので生きた酵素が多量に存在し、その酵素の成熟が進みすぎて酒が劣化してしまう。そこで酵素が必要とする酸素を除去して酵素の活動を抑え、生酒の鮮度を維持させたまま流通させるのがこのシステムの基本原則です。 「生酒鮮度維持システム」の成果についてお聞かせ下さい。
窒素ガス置換による生酒鮮度維持システム(プラント)は、前処理タンクでバブリング置換し、置換後の生酒は後方タンクで常温貯蔵する「バッチ式装置」としました。また、後方タンクは、ユーザーが所有する既存タンクで代替可能なシステムとしました。 今後の事業化の方向についてどうお考えですか。
事業化の組織形態は、現行の中小企業等協同組合法では、組合が行うことはできない。となれば共同出資会社か、それとも組合員企業或いは第3者に対する開発成果の使用賃貸又は譲渡が考えられます。 最後になりますが、このような不況の中での会社経営で心がけていることがありましたらお聞かせ下さい。
会社は生きものであり、時代は常に流れていきます。特に中小企業の経営者の責任は、会社の経営だけではなく、外から有益な情報を収集し常にオリジナリティを出していけるように努力することだと思います。 |