年 頭 所 感

商工中金 秋田支店
支店長 根 津 義 明

 新年明けましておめでとうございます。
 平素は、当金庫業務につきまして、格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、昨年を振り返ってみますと、国内の経済・産業面では、アサヒコーポレーション、三田工業等の大型倒産に伴う企業淘汰、さらには、長銀、日債銀の国有化等の金融破綻の一方で、東邦生命と米GEキャピタル、日本郵船と昭和海運、日産ディーゼル工業と独ベンツ社、興銀と野村證券、日興證券と米トレベラーズグループ、日本石油と三菱石油、日本生命とドイツ銀行等々の資本あるいは業務提携・合併合意といった国内外を問わない生き残りをかけた合従連衡が顕著であった1年でありました。また、海外経済面では、米国は、減速の兆しがみられるものの拡大基調を維持し、欧州経済も総じて堅調に推移しました。一方、アジアでは中国で景気拡大が続いたものの、ASEAN諸国や韓国では通貨・金融不安の持続から景気が後退しました。
 こうしたなかで、我が国経済は、年初から深刻な低迷状態にあります。まず内需についてみると、個人消費と住宅投資は雇用情勢の悪化や将来に対する不安の高まりから低迷が続きました。設備投資も、企業業績の急激な悪化や設備稼働率の低下から大幅に落ち込みました。一方、外需は、アジア向けを中心に輸出が伸び悩んだものの、輸入も減少したことから収支幅は増加しました。
 さて、今年の経済情勢を展望しますと、海外経済は総じて減速が見込まれます。米国、欧州は成長率の鈍化が予想され、アジアについては低迷が続くものと見込まれます。こうしたなか、我が国経済は、緊急経済対策等の実施による景気下支えが期待されるものの、本格的な回復軌道に乗るにはなお時間を要する状況にあると思われます。さらに、我が国経済は、バブル経済崩壊後のストック調整、雇用流動化、金融ビッグバン等各種規制緩和に伴うフリー・フェアー・グローバルな競争激化といった大きな構造変化の過程にあります。従いまして、中小企業においては、真の競争力を確保すべく、一旦立ち止まって、非効率な資産・経費を洗い出し、リストラを図る一方で、持ち前の機動性、意思決定の速さを生かして技術力強化、財務体質改善、得意分野の強化に企業の総力を結集することが強く求められる年になると考えられます。
 私共、商工中金は、今後とも中小企業金融の政府系総合バンクとして、組織金融の推進を通じて、中小企業の皆様が未来に向かって積極的にチャレンジされる際の幅広いニーズにお応えし、最も信頼されるパートナーとして努力を続けてまいります。どうか本年も宜しくご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 年頭にあたりまして、皆様のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げまして新年の御挨拶とさせていただきます。



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