北緯40度
vol.167

「中国産天然融雪剤を輸入」

〜秋田港の利用拡大〜

秋田海陸運送株式会社
常務取締役 西宮 公平氏

 今回は、秋田海陸運送株式会社常務取締役の西宮公平氏にご登場願いました。

 はじめに、西宮さんの経歴をお聞かせ下さい。

 私は、男鹿の船川で生まれ、東京・神奈川で育ちました。現在39歳で、誕生日は大晦日です。
 大学を卒業後、朝日生命にお世話になり、営業管理畑を中心に歩んで参りました。品川の営業所長を最後に円満退社し、3年前の平成8年4月から、縁ありまして現在の会社に勤務しております。
 私は、大学時代から海外の一人旅が趣味で、特に中国やヨーロッパを1〜2ヶ月間歩いたものです。海は世界につながっておりますので、海外をもターゲットとしたグローバルな活動が出来る今の仕事に充実感を持っております。
また、秋田に来てから多方面のたくさんの方から、折に触れ助けられており、感謝しております。目先の損得ではなく、しっかりとした哲学をお持ちの諸先輩のご指導があったからこそ、今の仕事に対する充実感があるのだと思います。

 中国の天然塩を主成分とした融雪剤の輸入を始めたきっかけをお聞かせ下さい。

 仕事の関係で北京に行った時に、中国と日本の間で貿易できそうな物をいろいろ調査しておりました。その一環として、塩田を視察させていただいたところ、その塩田は年間100万トンの生産能力があり、価格も極めて安いことが解りました。秋田への輸入が出来ないか検討し、秋田で元売をされている会社の社長さんに話を持ちかけた事がきっかけです。
 その後、秋田県庁や建設省・運輸省の皆様から貴重なアドバイスを頂き、現在に至っております。 

 中国の天然塩を主成分とした融雪剤はこれまでの融雪剤とどのような違いがあるのでしょうか?

 今まで秋田で利用されていた塩100パーセントの融雪剤と比べ、次の3点のメリットがあると考えております。
 1.価格が安価なため、融雪コストの削減が出来る
 2.完全な天然乾燥の天然塩なので、環境に優しい
 3.秋田港のコンテナ取扱量の増大につながる
 県の公設試験機関で調べていただいとところ、今までの融雪剤よりも低温でも融雪が出来るという特長があるということも解りました。
 中国の海から造られた塩が秋田の雪を溶かし、再び海に帰って行く訳ですから、「環日本海」という言葉が頭に浮かびます。

 秋田港を利用したコンテナ便のお話がありましたが、定期航路の開通を含め秋田港を利用するメリットは相当大きいと思われますが?

 横浜や仙台などの港から陸送する経費を考えますと、秋田港を利用する最大のメリットはコストの削減だと思います。現在、月間200本ほどの20トン入のコンテナを取扱っております。中国航路は、廈門(アモイ)まで延伸しましたので、今後、中国南部の貨物も増加する予定です。
 一方、秋田の特質を生かした将来の航路開拓としましては、ロシアのポシェット港などを活用した日本海横断航路の新設が私の夢です。秋田の地理的な特徴は、ポシェット港と一番近い日本の港だという事です。
 現在、中国東北地方との物流は、朝鮮半島を迂回しなければいけませんが、横断航路が出来れば、秋田は中国東北地方の物流の拠点になり得ると思います。
 また、将来、中国の延吉(ヤンジー)という市が中国東北地方の物流の拠点になると思いますので、秋田の関係各社に延吉との交流促進を呼びかけております。
 秋田の会社でも、延吉の会社と取引を開始したところもありますし、今後の展開に期待しております。

 今後はどのようなビジネス展開をお考えですか。

 今後も、荷役効率を上げるために、港湾荷役設備の投資を行ったり、環境に優しい荷役を行うために大型清掃車を導入したりして参ります。
 また、中国には、まだまだ大きなビジネスチャンスが潜在している気がしてなりません。中国と貿易をしてみたいとお考えの方がいらっしゃいまいしたら、ぜひご連絡を頂きたいと思います。商社任せにするのではなく、一緒に中国のビジネスチャンスを探しましょう。
 荷主の方達の繁栄無くして、当社の繁栄は有り得ません。秋田港の利用拡大を通じた県内経済の活性化をお手伝いする事により、地元に貢献していきたいと思います。

 最後になりましたが、趣味などは何かお持ちですか。

 中学生の頃からオーディオに凝っておりました。昨年までは借家住まいでしたので大きな音も出せませんでしたが、今は伸び伸びと音楽に浸っております。
 また、小さな暖炉を造ったので、休日は薪割りをしています。3人の子供と一緒にへっぴり腰で割っていますが、これが結構楽しいものですよ。

http://www.kairiku.co.jp/


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