防腐加工技術を生かし、ウッドエクステリアとプレカット事業へ進出。県産材の需要拡大に大きく貢献。アキタウッドテック株式会社

 最近公園やフィールド・アスレチック場などではぬくもりあふれる木製の施設や遊具が憩いの場を提供しているのが目に付きます。一方、住宅建設の現場では、大工さんの墨付けやノミやカンナを使った手加工による作業風景は本当に珍しいものとなりました。
 今月号では、このウッドエクステリア製品やプレカット事業にいち早く取り組み、成功を収めている共同出資会社アキタ・ウッドテック株式会社を訪ね、関社長にいろいろお話をお伺いしました。

☆はじめに会社の特色を教えてください
 アキタ・ウッドテック(株)は母体を秋田県木材防腐加工協同組合とする販売部門の共同出資会社=いわゆる組合員の共同出資会社です。
 木材防腐加工協同組合(発足当時は秋田県枕木統制組合)はその名のとおり鉄道の枕木、電柱材等の防腐加工を主力事業としていましたが、コンクリート製品の登場によって木材を使用したこれら製品が押され気味となり、将来展望が期待薄になったことから、培ってきた木材防腐の技術を活かし、その延長線上にある分野としてエクステリア部門に取り組んだものです。



☆当時の木材業界の状況は…?
 私どものメンバーは主として広葉樹を扱ってきましたが、アキタ・ウッドテック(株)設立当時は広葉樹を始め天然秋田スギの減少や資源の低齢化・低質化がすすみ、さらに外材や他産地の追い上げもあって木材産地を自負し、木材産業を基幹産業とする本県としては危機的状況に直面しておりました。
 こうした中で中央会さんの助成事業である活路開拓調査事業・同実現化事業を活用させていただき、森林資源と木材産業の活力を取り戻すと同時に、資源依存型から技術立地型高付加価値製品の生産型産業への転換を模索し、大変苦労しましたが事業化までこぎつけることができました。

☆最近は環境問題や公害問題も大きな社会問題となっていますが…
 エクステリア部門では針葉樹、広葉樹を問わず木材の持つ柔軟性、肌触りの良さ、温もりといった特性を十分に活かし、さらに防腐加工により耐久性の増す優れた製品を提供し、お客様に喜ばれております。自然と調和した、環境に優しいエコロジー企業を目指しております。


  
  
  

●その他のエクステリア製品
  ・門扉  ・解説板  ・看板  ・誘導板  ・標柱  ・木橋
  ・八ツ橋 ・手摺り  ・木柵  ・車止め  ・縁台  ・縁木
  ・暴風柵 ・物置   ・丸太スチール    ・プランター
  ・ウッドブロック   ・ウッドデッキ    ・丸棒階段

☆ところでウッドテック(株)のもう一つの特徴はプレカット事業と聞いていますが…
 エクステリア部門への進出が第1弾だとすればウッドテックの第2弾はプレカットということになります。秋田スギの産地として全国津々浦々に知られる秋田でありながら、その誇りというか、木材を大切にする心とでもいおうか、家造りは「無節」「四方柾」の柱を使い、手加工こそが本物とする考え方が強かったでしょうか秋田には小規模のプレカット工場数社しかありませんでした。
 当社は本格的な全自動プレカット工場としては秋田市で最初の工場となりました。


☆住宅関連産業として不況の影響もあったと思いますが…
 長引く不況や消費税率の引き上げ前の駆け込み需要の反動で住宅の着工件数が落ち込んだり、工場間の競争の激化から加工単価が低下したことなど厳しい時期もありましたが、プレカット加工の発注工務店が増えたこと、構造材のみならず羽柄材の注文が次第に増えてきたことは、好材料と言えます。又木材市況は底値が過ぎているとみられることから今後とも売上げは漸増して行くものと期待しております。

☆今後の取り組みについてお聞かせください
 県産材需要拡大のため原材料は県内企業からの購入を大原則とし、販路は県内はもとより、東北一円・北関東まで拡大していきます。
 又最近はガーデニングブームですから、木造住宅の外構部分に木フェンス、ウッドデッキ等のエクステリア商品をプレカット材とセットで販売し、木製品のトータル供給業者を目指したいと思います。


・CAD/CAMシステム
・工期の短縮
・正確な加工で高強度
・大幅な省力化
・コストダウン
・高精度な構造部材

編集メモ
 同社は冒頭ご紹介したように、協同組合を母体にした県内では数少ない共同出資会社である。法律が緩和され、組合の制度そのものが規制緩和の流れの中で大きく変わりつつあるが、中央会としては今後とも中小企業者の多様な連携組織を積極的に支援していくこととしている。
 取材に訪れたときは木製品展示即売会ということでひとときを楽しんでいる市民の親子連れもあった。機会を見つけて、是非一度皆さんにもみていただきたいと思います。


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