加盟店の増加と個店の販促活動が必要 ポイントカードサミット開催される

 11月2日(火)、秋田市のホテルメトロポリタン秋田を会場に、「第3回ポイントカードサミット」が開催された。
 今年度は「消費者に喜ばれるポイントカード事業とは」をメーンテーマに、1部をポイントカードを活用し売り上げの増進を図っている体験(事例)の発表、2部を組合関係者の他各地域の消費者の代表者を交えたパネルディスカッションにより行った。
 はじめに本会板東専務理事より「県内小売商業は、大型店、ロードサイド店の出店攻勢で非常に苦しい。ポイントカードの実施組合が増加してきているが、これは商売の基本である対面販売に立ち返るきっかけ作りにつながっているもの考えている。このサミットを通じて消費者に喜ばれるポイントカードづくりを目指してほしい」と挨拶がなされた。
 体験発表及びパネルディスカッションの概要については次の通り。

■顧客管理システムを活用し、売り上げを増加(体験発表)
 「ポイントカードを活用した販売促進の方法について」をテーマに意見発表がなされた。
 発表者となった両氏はいずれもポイントカード発行システムに機能としてある「顧客管理システム」を活用し、顧客に対しての販売促進活動を積極的に行っている方々であり、確実に売り上げを伸ばしている状況が報告された。
 特に、ゆざわ夢カード(協)専務理事金征徳氏からは、「チラシでの販促活動より、DMを活用しての顧客へ直接訴える販促活動の方が反応が大きい」との報告がなされ、二ツ井町商業(協)理事三國統也氏からは、「私の店では、切手、印紙まで全ての商品にポイントをつけている。組合共通のイベントの他、独自のイベントによる販促活動を積極的に展開しており、ポイントを集める楽しみをお客様に提供している。独自イベントもお客様に大変喜ばれている」との報告がなされた。
 両氏とも、既にお客様管理台帳を整備しており、顧客別の売上把握、地域別の顧客の把握の他、お客様にはDMによるイベント告知が出来るような体制となっている。ここが売上げ増加のポイントでは。

■御客様の声をこれからの活動に生かそう(パネルディスカッション)
 「消費者に喜ばれるポイントカード事業とは」をテーマにパネルディスカッションを行った。
 パネラーには、組合代表として秋田市共通商品券(協)副理事長那波宗久氏、ゆざわ夢カード(協)理事長荻田豊氏、ハミングカード(協)理事関博行氏、二ツ井町商業(協)専務理事菅原隆文氏、消費者代表として秋田市共通商品券(協)ファンクラブ竹越明美さん、キララハミングカード(協)お客様井上祐子さんをお願いした。コーディネーターは本会業務部長斉藤信郷がつとめた。

最初に、組合の概要・状況をお聞きしました
 「二ツ井町の町民が12,000人であるがポイントカードのホルダーは今現在16,000人。近隣町村の方もいるが、町で買い物をする人は全て当組合のもっくんカードを持っていると思っている。事業開始から2年でようやくここまできた。」
 「ポイントカードで売り上げアップを図ることが一番の目標。そのためには消費者に何を還元できるのかの見極めが大切。秋田市一円と広域な活動となるため、地域別の活動も取り入れ好評を得ている。」
 「昨年消費者の声を聞きたくアンケート調査を実施した。顧客管理ができるシステムであったため比較的容易に出来た。」

消費者の方から組合のことをお聞きしました
 「鹿角市では以前スタンプのサービスをしていたのが、ポイントカードに変わった。貼る手間が省け良かったと思っているが、もっと良かったことは、カードを見せれば確実にポイントをもらえること。カードを持ってますかの声もかけてくれ親切である。」
 「ほっぺちゃんカードでは、年末恒例の宝くじのイベントがあるが、昨年これで1万円当たり、益々集める楽しさがでてきた。他の地区のお話を聞くとお店独自のイベントがあるようだが、ほっぺちゃんでもお店独自のイベントをお願いしたい。」
 ・・・等々の意見がもらえた。
 組合は、どう消費者の気持ちを掴もうかと一生懸命。一方、消費者は、ポイントを貰うことを楽しんでいるようだ。ポイントの出し惜しみの話は出なかったが、要注意。本会のアンケート結果には有り。

イベントについて組合にお聞きしました
 「ほっぺちゃんカードのイベントに関する基本的なスタンスは、お客様に充実感を与えるイベントをということです。体験型のイベントと行ってもいいと思います。これまで、豪華客船での旅行、新幹線こまちを借り切っての旅行などを行いましたが、評判は上々です。昨年ファンクラブを組織しました。」
 「ゆざわ夢カードのカードは、皆さんと違い多機能のカードです。ポイント、プリペード、それに日専連のクレジットも組み込まれています。組合で売上げ情報を管理していますが、売上げの多いのは金・土曜日です。2倍・3倍・5倍セール等これらの情報を生かしてイベントを組みます。この夏、DMによる集客と時間を決めての思い切った倍セールの実施で、かなりの売り上げを上げた組合員がいます。」
 「ハミングカードでは、春、夏、秋、冬と季節毎にイベントを組みます。22年間続いている湯瀬温泉旅行はお客様から大好評です。但し、商店街の総力を挙げご接待しますから、終わればぐったりです。」
 「始めたばかりの二ツ井ですので、補助金を活用してのイベントも開催しています。今年、全組合員のお店を回るポイントラリーを実施しました。全店回った人もいてお客様には大好評でした。我々の方は、参加イベントより、交換イベントの方が多いと思います。組合のイベント、組合員独自のイベントの組み合わせを今後も続けることにしています。」

消費者代表の方にお聞きしました
 「ほっぺちゃんカードが様々な企画でイベントを行っていることには敬意を表するが、加盟店個々の取り組みに物足りなさを感じる。独自のイベントを行うなら、客としてもっと楽しくなるはず。カードを忘れた場合、カードを新たに作ることになり、カードを3枚も4枚も持っている人もいるのでは。ポイントを合計できる仕組みがほしい。」
 「ハミングカードでは、6カ月毎のイベントスケジュールを出してくれるので大変便利。あらかじめ予定もつく。先日出されたものには、各お店の店主の顔写真が出ており親しみが持てた。お話の中に出てくる顧客管理のことですが個人情報が組合、店に知られるということには多少の抵抗がある。」

会場の消費者の方にも聞いてみました
 湯沢市の神部モモさんは、「ポイント集めは大好き。湯沢夢カードは、プリペードで5%のプレミアム、更にポイントの付加で併せて7〜8%のプレミアムとなる。この低金利時代消費者には大変ありがたい仕組みだ。組合にもっと頑張ってほしい。」
 二ツ井町の石井政子さんは、「イベントは毎回楽しみにしている。顧客情報の使い方は十分に注意してもらいたいが、お店に行って名前を呼ばれ声をかけてもらうとうれしい。ポイントラリーでは、初めてのお店にもどんどん入って、ポイントをもらいました。お店も、少額商品を用意してくれるなど親切でした。希望は、床屋さんやパーマ屋さんなど私達にとって比較的高額の出費といえるお店でもポイントがもらえるようにして頂きたい。」
 ・・・等々の活発な意見が出された。
 消費者の意見を初めて聞かせて頂いたが、組合が考えもしなかったことを指摘され、反省点もあった。カードを忘れたときの対応、分散されたポイントの扱い、顧客情報の取り扱い等組合員教育の大切さも考えさせられた。
 パネルディスカッションの最後に消費者の方から出された、「商店街は年寄りにとって大変身近な商店。高齢者向けのサービス・イベントをこれからも考えて欲しい」とのご意見は、各組合とも真摯に受け止めなければならない問題ではないだろか。
 消費者の方々との連携を深め、この事業に取り組んでいくことこそ大切にしなければならないことである。取り組みを大いに期待したい。



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