新築された県庁第2庁舎に、企業の皆様や新たに事業を興したいとする方々が専門的なサービスをワンストップで相談できる“産業振興プラザ”が4月1日オープンいたします。今月号ではプラザの概要についてお知らせいたします。


“産業振興プラザ"誕生の経緯と目的

 〜中小企業者への施策のワンストップサービス〜
 厳しい経営環境が続く中、県内中小企業が発展していくためには将来を見据えた戦略的経営の展開や新たな事業分野への積極的な進出などが強く求められています。このため、次代を先取りする企業経営力を養成し、企業・創業を促す新たな企業支援システムを構築すると共に、これらの多様な支援機能を総合的に展開する拠点施設の整備が要請されていました。
 又、中小企業者に対するニーズ調査でも総合的な企業支援システムの構築が求められており、秋田県では数年前から商工労働部を中心に、県内企業者へのワンストップサービスの実現に向けて検討を加えてきました。産業振興プラザはいわば総合病院的な機能を担うこととなり、企業の方々や創業を考えている方々がプラザの窓口を訪問することによってその場で相談内容の大半が解決できることになります。

企業経営支援の総合コーディネーター

 〜産業振興プラザの機能と構成〜
 新築された第2庁舎の1〜3階部分を占める産業振興プラザは戦略的経営の展開や新規事業分野への進出、新規創業等の支援を第一の目的としておりますが、さらには小売商業者等への支援も含め、幅の広い総合的な企業経営支援のための拠点として業務を開始することになっています。
 具体的には県商政課・工業振興課が行ってきた企業への直接的サービスの提供部門と中小企業経営指導センターを企業支援センター(仮称)に再編し、さらに、中小企業振興公社、テクノポリス開発機構を統合し、プラザ内で県と一体的に業務を行うこととしております。これらの組織体制の再編整備によってそれぞれ個別に行っていた相談業務がトータルで対応してもらえるほか、企業経営全般にわたって多岐の人材を配置するなど他の中小企業支援機関も含めたネットワーク化が図られることになっており、企業経営支援のいわば総合コーディネーターとして利用者にとっては産業振興プラザでワンストップでサービスの提供が受けられるということになります。
 なお、本会にあってもこれまでの組合指導や多角的連携支援の中で培ってきた知識・経験・ノウハウや連携組織との繋がりを大きな資産として蓄積しており、今後これらを最大限活用した新たな連携支援を産業振興プラザと綿密な連携の上さらに積極的に展開していくこととしております。

次に、各階ごとにプラザの施設をご紹介いたします。

1階
【インフォメーションコーナー】

 インフォメーションコーナーではプラザ全体の受付の他、資料提供、VTRや書籍の閲覧・貸出サービスなどを行います。
 具体的には、中小企業への情報提供の一環として、経営力強化に役立つ約1,400本のビデオ、1,400冊の書籍、60種類の雑誌をその場で視聴、閲覧できるとともに、貸し出しも行います。
 さらに、会計等の経営関係のパッケージソフト等の利活用体験・指導、内部作成データベースの検索・提供、POS活用による売れ筋商品の情報提供が無料で受けられるほか、有料サービスとしては商用データベース(日経テレコム等)の検索、提供が受けられます。
 インフォメーションコーナーは小売商業支援センターも兼ねており、商業診断士資格保有の県職員が常駐し相談に応じるほか、相談者が最初に訪れることになるため企業経営全般にわたって専門的なノウハウを持つ職員が配置されます。
 訪問した方は最初にここで相談の内容を伝えると、窓口応対者はその相談の内容にふさわしい各支援分野の担当者に連絡、担当者は相談ブースに出向き総合的に相談に応じることになっています。さらに、必要に応じて各分野における外部の専門家も活用することになっております。
2階
 2階は企業支援センター(仮称)(中小企業経営指導センターと県庁の中小企業関連業務を合わせた県組織)と(財)あきた産業振興機構(仮称)(中小企業振興公社、テクノポリス開発機構が統合した新財団=4月1日発足予定)の事務所が予定されています。他の中小企業支援機関とのネットワークも図られており、一体となってきめ細かなコンサルティングが行われます(相談は1階の相談ブース、又は3階の専門相談室で行われることになります)。
3階
(1)専門相談室
 ここは1階の相談ブース同様、相談の受付→相談内容の把握→専門相談室→複数の担当者による相談・指導という流れで相談者への対応が予定されています。
 ここでも専門的な経営相談、指導には外部の専門家も活用して対応することとなっています。
(2)マルチメディア情報制作室
 企業の情報化促進の一環として、1社でも多くの企業にホームページをたちあげていただくことを目的に、1回が3日の日程の研修を年36回程度実施することが予定されています。
 なお、研修で部屋や機器を使用していない日は、一般の方でも1時間150円で利用できます。
(3)交流展示室
 ここは無料で多目的に活用できるスペースであり、例えば組合や業界団体等の製品や地域の特産品の紹介や展示の他、異業種交流や商談会の会場としての利用なども可能です。
(4)創業支援室
 創業期の企業やグループの事務スペースとして利用できる創業支援室が大小6室を用意されています。審査など一定の要件はありますが、賃貸料は山王周辺オフィスビルの約半額程度(月額21,000〜50,000円)となっており、1年更新で最長3年まで利用できます。もちろん早期の自立と成功に向け、プラザの機能を集中して技術や販路開拓の支援も受けることが可能です。
 創業はアイデアや技術が必要であることはもちろんですが、同時に多額の資金も必要とします。県には創業期の必要資金に対する低利融資の起業者育成資金や立ち上げ期の企業に対して500万円の助成を行うベンチャービジネススタートアップ支援事業など創業支援に向けた各種の制度もありますが、創業支援室の貸与もその一環と言えます。
 なお、創業支援室の募集は2月下旬頃から予定されています(入居は4月)。3月までは県商政課企画担当(860-2213)までお問い合わせ下さい。

 プラザの4月1日オープンを前に、秋田県中小企業経営指導センター、秋田県中小企業振興公社、秋田テクノポリス開発機構の3機関は1月からすでに第2庁舎に移転し、業務を行っております。
 新しい住所・連絡先等は次のとおりです。

◎新住所 秋田市山王三丁目1番1号

秋田県中小企業経営指導センター
TEL 018-860-5512〜5515
FAX 018-860-5524
秋田県中小企業振興公社
○総務部
TEL 018-860-5603
FAX 018-863-2390
○金融助成部
TEL 018-860-5607
○取引推進部
TEL 018-860-5611
FAX 018-860-5612
○中小企業情報センター
TEL 018-860-5621
FAX 018-864-7440
○小売商業支援センター
TEL 018-860-5630
秋田テクノポリス開発機構
TEL 018-860-5701
FAX 018-860-5704

〔参 考〕
*地域中小企業支援センター
 創業を予定している方や経営革新等の課題を持っている方が気軽に相談できる支援拠点として、この1月から大館市と横手市にそれぞれ「地域中小企業支援センター」が開設されております。
 これらのセンターは、産業振興プラザの支部的な機能をも併せ持つことになっております。
 なお、平成12年1月24日(月)現在で3週間(稼働日数14日)での相談件数は2センターで69件にのぼっており、平均すると1日当たり電話相談が2件、来会による相談が3件程度。
 又、相談者の相談内容は、リストラ等厳しい雇用環境を背景に熟年サラリーマンや失業者の方が有望業種の情報を求めたり、従業員の方が経験・技術を活かし飲食店や建築工事業の独立開業構想を相談、経営者が環境・情報サービスなど異分野への進出計画を持ち寄ったりと多岐にわたっています。

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