特集1 平成12年度産業経済労働部施策の重点 |
秋田県産業経済政策課 |
施策の基本方針 |
県組織・機構再編の初年度に当たり、本庁組織は「8部1局59課8室」から「8部1局54課6室」に改編され、商工労働部は8課1室から産業経済労働部5課1室と新たな体制で新年度に臨みます。 本県経済は、電気機械を中心にパソコン・携帯電話関連部品等が好調を持続するなど、生産面でその水準が増加に転じた業種が広がる一方で、消費面では底堅い動きを示しておりますが、力強さを欠いており、全体としては回復の兆しはあるものの、なお、横這いの状態が続いております。 個々の企業の経営環境といった視点から見ると、米国やアジア経済の好不況が貿易や金融・資本市場のリアルタイム取引等を通じて我が国の様々な地域の企業活動に影響を及ぼすといった「経済のグローバ化」や、あらゆる情報をデジタル化し、ネットワークを可能とする「情報技術革命」などを背景にスピードと独創性が求められる大競争時代といった様相を呈しており、かつてない金融の大再編や系列取引の解消といった企業間関係の変化をもたらしております。 さらに、本年は介護保険制度のスタート、大規模小売店舗立地法の施行、容器包装リサイクル法の本格施行、国際会計基準による決算等々企業を取り巻く様々な制度の大改革が予定されている年でもあります。 県ではこのような様々な状況変化を踏まえ、県内企業がそれぞれの課題を解決し、たくましく前進し、 県経済を押し上げていく推進力となるよう、秋田21総合計画に基づき、県内経済の活性化のための各種施策・事業を掲げております。 前期実施計画の初年度となる平成12年度は、県内企業の経営革新や新規創業に対して総合的な支援サービスを提供する「秋田県産業振興プラザ」を核とした支援体制のもと、緊急度、重要度などを勘案し県内企業が厳しい状況を乗り越えるための当面の金融対策や雇用対策、さらには環境変化をバネにして新たな飛躍を遂げるための支援の強化など、次の事項を重点に施策を展開してまいります。 |
主な施策・事業の概要 *( )は予算額で単位千円 |
産業の技術力・競争力の源となる科学技術基盤の形成 |
1 | 産学官連携による共同研究の推進 |
(1) | 工業技術センター技術移転促進事業(34,985) |
県内企業の技術水準の向上と新製品・新技術の開発のため県内企業との共同研究や新技術導入に関する支援を実施するほか、技術者養成研修を実施する。 |
独創性に富んだ企業活動の促進 |
1 | 新産業・新事業創出に向けた企業活動の支援 |
(1) | 起業者育成資金 (710,329) |
新規開業を支援するための資金 ●新規枠 13億円 |
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(2) | ベンチャースタートアップ等支援事業(25,800) |
公募方式により創業期及び成長期の模範となる新規性・成長性に優れた企業に対して支援を行う。 ●ベンチャービジネススタートアップ支援事業補助 補助率 1/2 限度額 500万円 ●ベンチャー飛躍支援事業 補助率 1/2 限度額 1,000万円 |
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(3) | 地域新産業創出総合支援事業(100,000) |
秋田県産業振興プラザを中心に事業者の研究開発から事業化・販路拡大までを総合的に支援する地域新産業創出プラットフォームの産業支援活動を支援するため、地域資源発掘事業、商品化・事業化可能性調査事業、産業支援人材育成事業、起業家人材育成事業及びワンストップサービス事業を実施する。 | |
(4) | 小規模起業者支援事業(1,383) |
中小企業診断士が小規模の創業希望者に対し、1ケース3日程度の時間をかけて問題解決のためのアドバイスを無料で行う。 | |
(5) | 地域中小企業支援センター補助金(18,621) |
創業予定者や経営革新等に取り組む小規模事業者等が気軽に相談できるよう、県内3ヶ所に設置する地域中小企業支援センターに対して助成する。 ●設置場所 大館市、本荘市、横手市 ●事業内容 コーディネーターによる窓口相談、専門家による派遣指導、 創業や経営革新等に関する情報の提供 |
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2 | 経営革新による企業競争力の強化 |
(1) | 秋田産業振興資金(1,246,125) |
新分野進出等、経済構造の変化に前向きに取り組む企業を支援するための資金 ●新規枠 32億円 ●限 度 事業資金 1億円 (経営資源型 2億5千万円) ●利 率 年1.9%(総合支援型 1.5%) ●期 間 10年(うち据置3年)、 営資源型経 設備7年 運転5年(うち据置1年) |
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(2) | 中核的支援機関設置運営費(76,584) |
県内中小企業が必要とする経営・技術・情報等の経営資源を円滑に確保するため、秋田県産業振興プラザにおいて支援機関の一元化を図り、独自の強みを発揮する中小企業を支援するための中核的支援機関である秋田県産業振興機構に助成する。 ◎主な事業 ●都道府県支援センター事業 ●専門家派遣事業 ●中小企業経営動向等情報整備事業 ●中小企業技術者研修事業 |
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(3) | 地場産業創出等支援事業(9,000) |
地域経済の中心である地場産業支援のため「地域中小企業創造力形成事業」、「地域資源等活用型起業化等事業」、「地場産業創出・育成支援事業」に対し助成し、活動の効率化・新たな事業展開の容易化を図り、地場産業の活性化及び振興に寄与する。 | |
(4) | 情報化推進事業費補助金(2,662) |
県内企業の情報化を促進し、情報化による県内企業の競争力強化を図るため、県内企業の情報化ニーズを掘り起こすと共に、ユーザー企業の相談相手としての「県内ソフト企業」の育成をし、県内企業の情報化投資の促進を支援する。 | |
3 | 資源リサイクル産業の創出 |
(1) | 秋田県北部エコタウン事業(25,334) |
県北部地域に、家電リサイクル事業を中核として、地域産業の連携による資源循環型産業の創出を図ることで、「環境と調和したまちづくり」を推進する。 | |
4 | 企業集積の拡大と活用 |
(1) | 重点企業立地促進助成事業(200,000) |
本県にとって施策上特に必要と認められる重点導入企業の立地を促進するため、これらの企業が県内において行う工場等の新増設のための設備投資に係る費用の一部を助成する。 ●対象企業 先端技術型企業、研究開発型企業、外資系企業、基盤業種型企業 |
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(2) | 企業立地促進資金(3,810,351) |
企業誘致の促進と地場企業の高度化を図るため、企業の新増設事業に対して低利の資金を貸付する。 ●限度額 10億円 ●利 率 2.15% ●償還期間 10年以内(据置2年) ●新規貸付枠 35億円 |
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5 | 消費者ニーズの多様化に対応した 商業活動の活性化 |
(1) | 商店街空き店舗対策事業(17,000) |
商店街組合等が、商店街店舗等配置計画基づき、不足業種等の誘致や新規創業者等の育成を図るため実施する空き店舗の活用に対し、賃借料・改装費の一部を県と市町村が共同で補助する。 ◎補助率 ●賃借料 開店後12ヶ月までは、1/5以内、12ヶ月を超え24ヶ月までは、1/10以内かつ、市町村補助額の1/2以内(限度額48万円) ●改装費 対象事業費の1/5以内、かつ、市町村補助額の1/2以内(限度額 60万円) |
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(2) | まちなか商業ルネッサンス調査事業(1,491) |
まちなか商業の経営革新に向けた先駆的・独創的な取り組みに対する支援策や、後継者のいない商業者等の店舗を継承するシステムの構築について調査する。 | |
(3) | 商店街競争力強化支援事業(28,950) |
商店街の競争力を強化するため、まちづくり計画策定事業、高齢者対応事業、環境・リサイクル事業、商店街CI事業、テナントミックス事業などの事業に対して補助する。 | |
6 | 環日本海など国内外との交流促進 |
(1) | 対岸貿易振興事業(12,242) |
◎吉林省との経済交流を考える4県(秋田・新潟・鳥取・島根)協議会」 共同事業参画 ◎企業情報交換会(中国吉林省)への参加 ◎吉林省経済交流協議会(国内)への参加 ◎ミッションの派遣及び受入 ◎海外見本市参加支援等 |
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(2) | 秋田港国際化推進事業(5,626) |
秋田港の国際コンテナ定期航路を充実させるため、ポートセールス等を行い貿易貨物の集約を図る。 |
地域の個性ともてなしの心で築く観光産業の振興 |
1 | 秋田の素材を生かした旅行商品づくりの推進 |
(1) | 秋田の旅行商品開発・販売促進事業(5,200) |
旅行に対する消費者ニーズの多様化・個別化に対応するため秋田(地域)に密着したテーマ性の高い旅行商品開発を促進する。 | |
(2) | 秋田冬の旅推進事業(5,690) |
観光客の入り込みが少ない冬季間の誘客を促進し、通年型観光を確立するため、小正月行事やウィンタースポーツ、郷土料理など雪国秋田ならではの観光魅力を県内外にPRする。 | |
2 | 観光客にやさしい受入態勢の充実強化 |
(1) | 秋田ふるさと村魅力アップ推進事業(356,186) |
秋田ふるさと村の魅力を高め、利用者の満足度の高い施設となるようハード・ソフト両面の整備を推進する。 | |
(2) | 新水族館整備事業(83,647) |
男鹿水族館が長年にわたり果たしてきた社会教育や研究の場として、また男鹿半島の主要な観光施設としての役割を継承し、青少年を初めとする多くの県民ニーズに応え得る魅力ある新水族館を建設する。 ●建 設 地 男鹿市戸賀塩浜字壺ヶ沢 (現在地) ●敷地面積 20,413平方メートル ●総事業費 約80億円 ●構造・規模 鉄筋コンクリート造、 地下1階地上3階建、 約9,600平方メートル(屋外展示含む) ●水槽・総水量 40基 約2,100トン ●12年度事業 実施設計 |
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3 | テーマ・ターゲットを絞り込んだ 効果的な誘客宣伝活動の展開 |
(1) | 新世紀の秋田戦略的観光宣伝推進事業(10,000) |
21世紀の幕開けに対応した新しい秋田の観光宣伝戦略を確立するため、宣伝事業へのアドバイザーを導入し統一感のある効率的かつ効果的な観光宣伝を推進する。 | |
(2) | 北東北三県観光立県推進事業(29,900) |
北東北三県知事サミットの合意事項を受けて策定した「北東北文化観光振興アクションプラン」の施策体系に基づき、北東北3県観光立県推進協議会を推進母体として、3県共同の各種事業を実施する。 |
子育てに夢を持てる社会づくり・ 快適で安全な生活を支える環境づくり |
1 | 子育てと仕事の両立支援 |
(1) | ファミリーサポートセンター設置支援事業(3,364) |
育児の援助を受けたい者と育児の援助を行いたい者からなる会員組織「ファミリー・サポート・センター」の市町村に対する設置促進及び運営費の助成をする。 | |
(2) | 育児・介護休業者生活資金貸付金(5,125) |
育児・介護休業者の休業中及び休業直後の生活における経済的負担の軽減を図るため、育児・介護休業取得者に生活資金の貸付を行う秋田県労働金庫に対し資金を預託する。 |
産業構造の変化に対応した 雇用機会の安定的な確保 |
1 | 地域経済を活性化する雇用・就業の支援 |
(1) | 緊急地域雇用特別基金事業(618,090) |
雇用・就業機会の創出を図るため、秋田県緊急地域雇用特別基金を活用し、創意工夫に基づいた緊急に対応すべき事業を実施する市町村に対し助成する。 | |
(2) | 緊急雇用機会確保推進事業(4,558) |
雇用機会確保推進員を配置し、企業の採用意欲を喚起することで、求職者の再就職を促進する。 ◎雇用機会確保推進員の配置 (6名:県内6ハローワーク) |
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(3) | 高卒者県内就職促進事業(15,351) |
高校卒業予定者を対象とする求人の早期確保を図るとともに県内就職に対する啓発活動を充実させ、県内定着を推進する。 | |
(4) | 大卒等県内就職促進事業(7,370) |
新規大学等卒業予定者を対象に、県内企業の求人関係情報の提供やインターンシップの推進などにより、県内就職の促進を図る。 | |
2 | 産業ニーズを踏まえた職業能力開発の推進 |
(1) | 生涯能力開発給付金(144,536) |
雇用する労働者に対し教育訓練を実施し、又は労働者の申し出により有給教育訓練休暇を与える事業主に対して、実施に要した経費の助成を行うもので、労働者の職業能力のバージョンアップが図られることを促進する。 | |
(2) | エンプロイアビリティ支援事業(13,683) |
離職を余儀なくされた労働者及び新規・再度の就職を希望する者のニーズに応じた職業訓練コースを設定し、就業に必要な基礎的な知識、技能を付与し、より有利な就職を促進する。 |
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