この人・この企業
Vol.2
 今回は、(財)商工総合研究所の「平成13年度中小企業組織活動懸賞レポート」に本賞入選した秋田ハイタク事業協同組合瀬浪課長にご登場願いました。

「わが組合の組織化、
    活性化の足跡と、
      これからの組合活動」


秋田ハイタク事業協同組合
総務課長 瀬浪 幸雄 氏

はじめに、表題は今回入選したレポートのテーマですが、懸賞レポートに応募しようとした動機を教えて下さい。

 私は、当組合のLPガススタンドの事業がスタートした昭和55年に組合に入社しました。今年で22年目を迎えるわけですが、昨年たまたま懸賞レポートの募集を知り、20年の節目を区切りとしてこれまでの組合職員として自身の仕事と組合の活動を振り返り確認するために応募しました。

レポートは8,000字という長文ですが、完成するまでには、時間がかかったのではないですか。

 レポート作成は、仕事が終わった後、自宅で作成したわけですが、これまでの過去をまとめたので、意外に早く、1ヵ月位で完成しました。

レポートには、組合のこれまでの足跡から新規事業への取り組みの提案とタクシー業界で20年以上携わってきた瀬浪課長の熱い思いが書かれている素晴らしい内容になっていますが、日常の業務で組合員から情報収集をしてなければ書けないじゃないですか。

 タクシー業界も規制緩和が進み、組合設立当時に比べ取り巻く経済環境は大きく様変わりしました。
それを具体的に感じてきたため、2年前から毎月1回26営業所を訪問し、LPガス代金の請求書及び成績表(全組合員の毎月の売上達成度一覧)を手渡すとともに情報交換を行っています。この情報交換で組合員各社の状況把握も出来ますし、組合に対する不満のガス抜きにも役立っています。また、今回のレポート作成にも勿論役立っています。
 私も組合にお世話になっていますので、組合の発展には何が必要なのかを考えていました。我が組合も内部的には何の欠陥も見当たらないほど完成された組織ですが、今後は規制緩和等周囲の変化に柔軟に対応して行けるかが、本当の意味での真価が問われることになると思います。その意味で組合として組合員をサポートできる新規事業を考えレポートにまとめました。
 また、今タクシー業界は、規制緩和や供給過剰の状況で経営は厳しさを増しています。こういう状況だからこそ、物事を考える時には、「初心に返れ」だと思います。組合が活性化するには、組合員が組合を設立した当時の生き生きとした行動力と情熱で活性化策を実行したなら、この状況を打破できると思います。そして、その行動力にプラスされるのが我々組合職員の行動力ではないでしょうか。

瀬浪課長は、中小企業組合士に認定されていますね。

 私は、平成9年の中小企業組合士試験に合格し、平成10年に中小企業組合士に認定され、秋田県中小企業組合士会に加入しました。この組合士会で他の組合関係者との交流が私自身に良い刺激になっています。他の組合活動を知ることにより、新規事業や組合運営に非常に参考になっています。是非多くの組合関係者が組合士試験を受験して頂き、仲間として参加して頂ければ組合の活性化が図られると思います。
 今回たまたま、組合職員として考えていたことをまとめたものが懸賞レポートに入選したわけですが、私同様に組合の活性化策を考えている組合関係者は多いのではないでしょうか。その考えを整理するために是非皆さんにも懸賞レポートに応募して頂き、活性化策を論議出来ることを期待しています。


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