■■■はじめに、長年の懸案事項であった全面改築が、リニューアルオープンを迎えるに当たって、率直なご感想をお聞かせ下さい。

　市民市場の改築事業は、昭和54年から長年の懸案事項でした。2度の頓挫がありましたが、「市民の台所」として愛して頂きました市民、県民、または中央会、県、市等の行政機関にもご指導・ご支援頂き、かつ、退店した組合員も自分の人生そのものである市場を残したいという強い思いが改築を推進させてくれました。
　ある意味この全面改築は、今この機会を逃せば二度と出来なかったことを考えても、12月5日のリニューアルオープンは感慨無量です。

■■■新生秋田市民市場のスタートに当たり、どの様な市場づくりをお考えですか。

　建物の改築だけで終わってしまっては、支援して下さった多くの方々の期待を裏切ってしまいます。建物の改築とともに、組合員一同意識改革を図りながら市場づくりに挑戦していきたいと考えています。
　建物自体は、衰退が著しい中央街区のシンボルとなり、日赤跡地の再開発と連携しながらショッピングモールを形成し、市民、県民に楽しめる場・空間の提供を果たして行きたい。また、若者に起業のチャンスを与えるために「チャレンジショップ」の一画を設けました。若者が市場で起業することにより若者が市場に来るようになるだろうし、我々組合員も刺激を受けることがより、魅力ある市場づくりにつながることを期待しています。 　市場の楽しめる空間づくりのためには、我々組合員がお客様のニーズを満たすために、これまで以上にお客様の目線で事業を展開していくつもりです。
　今回のリニューアルオープンに当たって、即日宅配事業を実施します。即日宅配事業は、買い物した商品を運送会社に午前中に依頼(料金は500円)すれば、即日に宅配され、買い物後に手ぶらで街を歩けます。また、当面は各個店に於いてのお客様への対応として、買い物代行的に電話注文による即日宅配事業も行います。これが市場に来れない方又、高齢化社会への対応にもなります。
　これから建設に取り掛かる部分では、多目的ホール及びフードコートを設けます。多目的ホールでは、「秋田の食の伝承」を目的とした「ハタハタ寿司の漬け方教室」や「山菜のおいしい食べ方教室」等の料理教室の開催を予定しています。フードコートでは、通常の飲食の他に市場内で買い物した魚などをすぐに食べれるサービスを予定しています。
　市場は、対面販売によるコミュニケーションの良さを十分に発揮しながら、プロの商売人としてのプライドをかけて安全で安心できる商品を仕入、そして販売するという信念を持って営業してきました。それに、よりお客様のニーズに応えて、自分たちの持っている知識や情報を発信して行く基地としての役割を果たして行きたいと考えています。