年頭にあたって

秋田県中小企業団体中央会
会長 東海林正隆


 あけましておめでとうございます。
 平成15年の新春を迎えるにあたり、皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年は多くの国民が景気回復を強く期待する中で、小泉経済再生内閣の威信をかけた1年でありましたが、デフレはより深刻化し、株価はバブル後最安値を更新するなど結局、経済は低迷と混乱から抜け出せないまま幕を閉じた1年でありました。
 こうした状況下、政府内では昨年の当初から法人事業税への外形標準課税導入が真剣に検討され、財政逼迫の状況からも導入やむなしの意見も強くなりつつありました。
 これに対し中央会はじめ中小企業4団体は、外形標準課税は赤字法人や賃金にも税を課すというものであり、わが国経済に大きな禍根を残すことになるということ、そして現時点においてはデフレスパイラルを断ち切り、経済を安定させることが何より重要であり、中小企業が活力を十分に発揮できる環境整備こそ急務であるとの認識から、一致団結して反対の立場から署名活動や陳情並びに決起大会を繰り返し精力的に行って参りました。
 こうした結果、中小企業に対する課税が見送られることになったのは記憶に新しいところであります。これも偏に運動に熱心に、かつ積極的にご理解とご協力を戴いた会員の皆様方の賜と衷心より感謝申し上げる次第です。
 さて、私ども中央会と致しましては、中小企業連携組織支援のための専門機関として、県内企業の連携・組織化の推進、経営革新や創業等に対する支援を行っておりますが、今年度は、関係機関との密接な連携のもと、会員組合に対するさまざまな支援に努めてきたほか、組合員企業に対する経営革新のための支援も積極的に展開して参りました。さらに、開・廃業比率が逆転しているという憂慮すべき事態が続いていることから創業を志す方々に対しても、入口段階の相談からビジネスプランの作成まできめこまかい支援を続けて参りました。この結果、創業型として2つの企業組合が新たに誕生し、すでに事業を開始しております。また、深刻な雇用情勢が続いていることから求職者等に対するパソコン研修も延べ300人に対して実施し、資格の取得やスキルアップ、就業に結びついております。
 新年度におきましても、中小企業がその多様性を十分発揮できるよう、従来にも増して経営革新や創業、新事業創出等への支援を強化していくこととしております。
 具体的には、既存組合の活性化に対する支援はもちろんですが、新規成長分野における組合設立の促進、経営革新支援による組合員企業の体質強化、企業間コーディネート機能強化による連携の推進、企業組合等による創業の促進、組合等のIT化の促進などを支援目標に掲げております。
 特に、組合員企業までのサービスとして、組合と組合員がITを活用し、情報を共有するための「情報コミュニケーション構築事業」や企業経営に役立つ施策情報、イベント・研修会情報等の最新情報をいち早く組合・組合員企業の皆様方に電子メールで提供する「中小企業メール情報サービス事業」なども新規事業として取り組んでいくこととしております。
 また、企業組合につきましては、創業・新事業への挑戦をより一層促進する観点から個人のみに限定されていた組合員資格について、法人や投資組合も組合に加入できるように法律が改正され、この2月から施行されることになっており、使い勝手のよい制度として広く普及して参りたいと考えております。
 舵取りの難しい困難な時代ではありますが、関係各機関と相連携し、会員組合の皆様と共にこの難局に果敢に立ち向かう覚悟であります。
 結びに、新しい1年が会員の皆様にとりまして実りの多い年となりますよう、そして会員組合並びに組合員企業の皆様のご繁栄を心からご祈念申し上げ、新年のご挨拶と致します。


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