Vol.13
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今回は、中小企業経営革新支援法を活用して経営体質の強化に積極的に取り組んでいる臨海食品協業組合の矢吹理事長にご登場願いました。 |
臨海食品協業組合 理事長 矢吹 達夫 氏 |
■■■現在の業界の現状についてお伺いします。
10年前までは秋田県内に約200の事業所がありましたが、低価格競争の影響をまともに受けたことや後継者の問題などで廃業する事業者が多く、現在では約80事業所まで減少しています。 現在、秋田県内業者のシェアは約3割で、7割以上は県外の大手メーカーで占められていますが、反面大手業者による寡占化も進行しています。 価格破壊の影響は今も続いていて、納品価格の引き下げ要求などによって、製造原価は30年前に戻ったみたいに、今では利益を確保するのが難しい時代になっています。 ■■■どのようなことがきっかけで経営革新支援法を活用して経営体質の強化を図ろうとされたんですか。 低価格競争を生き抜くためには、原材料である大豆を安い輸入品に頼らざるを得ない現状となっています。自社製品も秋田県産大豆は現在のところ1割に止まっています。経営革新支援法を活用することになったきっかけは、業界の体質改善を図りたいという気持ちからです。数カ月前、公設試験研究機関でメーカーの製品を無作為に数十種類選んで成分分析が行われました。この結果、どのメーカーの製品かは発表されなかったんですが、遺伝子組み換え大豆を使用している製品が約半分見られました。定められている基準値を超えているわけではないんですが、やはり消費者の口に入るからには、“顔が見える、安心できる食の提供”を実践しなければということを強く感じたことが経営革新支援法を活用するきっかけとなりました。そのためには、秋田県産大豆を使用し、地産地消を推進することにより消費者需要を掘り起こせるのではないかと考えました。 ■■■具体的な取り組み内容を教えて下さい。 100%非遺伝子組み換え大豆として輸入しながら、実際に入荷する過程で混入の可能性があることが判明したことから、消費者の「食の安全性」への信頼に応えるためには、100%秋田県産大豆を使用し、安価な製品から脱却し付加価値の高い安全な豆腐に方向を変えて行くことが必要と考え、今回の計画の最大のテーマとしました。 秋田県産大豆の大量仕入れによるコストの圧縮の他に凝固剤や煮沸の調整などの技術的な改良を行い、製品の歩留まりを向上させる努力の中で、利益率を確保しながら納品単価を抑えるということが大きなポイントと捉えています。 ■■■組合の今後の展望、抱負などをお聞かせ下さい。 まず、この厳しい低価格競争に生き残らなければなりません。そして、秋田県内で一番の豆腐メーカーになることで、県外の大手メーカーに対抗できるだけの体力強化を図ることが先決問題と考えていますが、あくまでも消費者の立場や納品先の立場になって双方が信頼できる製品を提供していきたいと考えています。 先ほども申し上げましたが、現在秋田県産大豆の使用は1割ですが、これを今回の計画で3割に引き上げ、近い将来には7割に引き上げたいと考えています。 最後に、行政機関に対する要望として、現在利用している運転資金とは別枠で「原材料仕入れ」のための特別な制度融資を是非創設してもらいたいと考えています。もちろん、秋田県中小企業団体中央会の力が必要になってきますので宜しくお願いします。 |
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