業界の特性
電気工事業界は、(1)少ない資本で早い代金回収が可能 (2)物品の販売業とは違い技術料金を確保できる (3)メンテナンスによるリピート受注が期待できる (4)景気に左右される要素が少ない などから倒産に至る組合員はほとんど見られないが、受注工事件数が減少する中で売上が減少傾向にある。
特徴的な活動事例
電気工事を行う場合、東北電力に対して申請の届出が必要であるが、組合では電気工事に関する申請書類の作成から届出までを一括して代行して行う「手続代行事業」を実施している。以前は電気工事業者によって料金が違うなどお客様から不信感を持たれていた。このため組合では、標準価格表を作成してその標準価格表に基づいて業務を実施したことからお客様からの信頼が得られて組合の業績拡大に貢献した。
また、組合では組合員が行った手続代行業務に関する請求業務や集金業務も行うなど組合事務局と組合員が一体となって積極的な事業展開を行っている。
組合活動のポイント
電気工事は、国の複数省庁が関係する資格が必要な業種であり、また、資格がなければ出来ない仕事でもある。組合員には一定レベル以上の技術が要求されることから、多くの組合員は技術者としての自負と向上心を持って仕事に取り組んでいる。組合ではこのような組合員を支援するために、
(1) 組合員同士の情報交換の場の提供
(2) 業界動向の先を見た最新技術情報の取り込み
(3) 中小企業団体中央会の補助事業を活用した技術研修の開催
(4) 組合員の意識の向上を図るため、共通認識を持たせての組合員のベクトルの同方向化
(5) 組合員同士の連携による協力体制の確立
などを目標としており、組合活動のポイントとして捉えている。
また、大手業者に対抗することが組合の設立目的であり、組合員個々では受注できない仕事を組合員同士の連携と協力体制を作り上げて、お互いがカバーし合って受注していくための組織体制作りを構築していくことが今後必要である。
今後の取り組み
組合では、将来の組合の生き残りを探るため燃料電池に関する研修部を立ち上げた。燃料電池はガスを原料として使用し、発生した熱を水を使って蓄熱することから、取り扱いに関しては、(1)第二種電気工事士 (2)ガス機器スペシャリスト (3)給水装置工事主任技術者の3つの資格が必要となる。
これまでは電気・ガス・水道の各業界でそれぞれが役割を分担して他業種企業に委託しながら仕事を進めてきた。しかし、この3つの資格を所有することで、燃料電池に関する業務を一括して受注することが可能となり、燃料電池のシステムの販売ができるようになる。
こうしたことから、現在他業界に先駆けて組合員に電気工事以外の資格も取得させ、業務を拡大させたいとして、燃料電池に関する研修会や必要資格取得のための勉強会を実施している。
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