平成16年度 地区別組合代表者会議を開催

 本会への要望と地区内会員同士の交流を目的とした地区別組合代表者会議を、7月27日(火)の大館会場を皮切りに8月4日(水)の横手会場まで、県内4地区で開催した。
 会議では、県内の組合の置かれている状況等を踏まえ、出席者との間で意見交換を行ったが、出席会員からは業界の問題点や行政機関への要望等が多く出され、非常に実のある会議となった。各会場で出された意見・要望や業界の問題点の主なものは次のとおりである。

【大館会場】
(1)  県内の公共建築物に秋田県産材をもっと多く使用して欲しい。今後、マーケティングに力を入れたいので力を貸して欲しい。
(2)  郊外に大型店が建ち並び一つの街を形成している。郊外ということで路線価・固定資産税に大きな開きがある。状況に見合った土地利用税・付加価値税といった観点から評価の見直しをして欲しい。
(3)  アーケードの建設賦課金に課税されている。定率法での減価償却のため減価償却額が年々小さくなることから償還に当たって税金分がショートする。何か良い方法はないか。
(4)  異業種からの車検部門への参入が著しく、1社当たりの車検取り扱い台数が減少しており、整備業者の経営状況は苦しい。

【秋田会場】
(1)  縫製業界は、一頃と比較し組合員全体で約30%程受注がダウンしている反面、メーカーからは短納期化が要求されており、経営は厳しい。
(2)  ほとんど公共工事に依存しており、今更“官” に頼らず“民”で頑張れと言われも大変厳しい。業界が生き残る道を真剣に考えなければならない時期に来ている。特に、行政側がもっと協同組合に理解を示してもらいたい。
(3)  消費税の改正(総額表示)で消費者に割高感が出ている。強者と弱者の論理があるが総額表示の不備など、強い反対の意思表示をして欲しい。
(4)  東京都の排ガス規制のためにトラックの改造費など莫大な費用がかかっている。高速道路の割引制度が廃止されると組合の運営は苦しくなる。

【能代会場】
(1)  研修生受入事業を実施しているが、現在、日本人従業員が50人以下であれば研修生の受入は3人まで、100人だと6人までという制約があるが、受入枠の拡大を図って欲しい。
(2)  中心商店街の空洞化が最大の問題である。東能代地区に大型店の出店計画があり、現在、1万人の反対署名運動を展開中である。
(3)  大型店の出店計画があれば調整区域がすぐに市街化区域に変更になるが、行政ももう少し街づくりに対する基本的なスタンスを持って欲しい。
(4)  アーケードが腐食し、解体しなければ人身事故もおきかねない状況である。アーケードの解体と併せ、歩道の融雪化、電線(電柱)の地中化、駐車場の創設等を考えているが、何か良い制度等があれば教えて欲しい。
(5)  ポイントカード端末の買い換え時期を迎えており、まとまったお金が必要となっているが、何か良い制度等があれば教えて欲しい。
(6)  平成17年4月から、完全共販を計画しているが、運転資金として1億5千万円から2億円程度が必要である。良い制度があったら教えて欲しい。

【横手会場】
(1)  新たに製材加工の協同組合を設立したが、中央会がここまでやってくれるとは思わなかった。これからも何かあればすぐに相談したい。
(2)  公共工事の依存度が高い業種であることから業況は厳しい。組合としてはお客が何を求め、何を欲しているのかを探求し、組合員を対象として勉強会を実施していきたいので、教育情報面に対しての助成を強くお願いしたい。
(3)  葬祭業は、農協との競合問題が大きい。組合病院は死亡退院等は自動的に農協の扱いとなってしまう。病院の運営には多額の公費負担も投入されているがこれでは公正な競争環境とは言い難い。何とか規制できないものか。
(4)  平成7年から着手した近代化事業も完成した。市内に4つある商店街がバラバラに近代化をやってきたために街全体の近代化事業が完成するまで25年かかった。街は確かにきれいになったが、広い駐車スペースを持つ大型店には勝てない。

本会に対する意見・要望
(1)  中央会は業界の困っていることを凝縮して国や県にモノを発言していく団体になるべきではないか。個々の組合が悩みながらこういう事をやっているということを聞く会議から、大同団結して場合によっては当局に圧力をかけることを誘導するような姿勢があってもよいのではないか。
(2)  中央会が官に対し、“モノ”をいうパスを持たなければいけない。正面からモノを言うのは困難だろうが、秋田県の産業を育てていくという姿勢や活動が鮮明になれば、中央会の存在もさらに大きくなり、会員からの評価も一層高くなるのではないか。
(3)  組合という制度ができた根源にまで遡るべきでないか。市場メカニズムと組合は果たして合致するのか。上から言われて“はいそうですか”と言うことではなく、ある意味で戦う姿勢が必要であり、中央会の姿勢・方向もそのようになって欲しい。
(4)  例えば商業分野では、スーパーへの納入価格は相手スーパーの言いなりになっているような状態である。優位性を作っていこうとする行動が中央会に必要ではないか。そのためには同一の業種・業態が一つになることが大事である。同業種間の話し合いの場を作り、主張する団体になっていかなければならない。
(5)  中央会には中小企業の声を声として運動していく姿勢が是非欲しい。このような話を公式の場で言うことはなかなかできないものであるが、今の日本は官僚と規制のための国家になっていると思う。ベンチャーもいいが、既存の地元企業にももう少し配慮があってもよいのではないか。



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