施策情報 循環型社会の形成に向けて
〜自動車リサイクル法が来年1月1日にスタートします!〜


1 自動車リサイクル法が必要な理由
 年間約400万台排出される使用済自動車は、有用金属・部品を含み資源として価値が高いものであるため、従来は解体業者や破砕業者において売買を通じて流通し、約80%がリサイクルされてきました。他方、残り20%の最終残渣であるシュレッダーダストは、主に埋立処分されています。
 また、最終処分費の高騰、鉄スクラップ価格の低下・不安定な変動により、近年、従来のリサイクルシステムは機能不全に陥りつつあり、不法投棄・不適正処理の懸念も生じている状況にあります。
 このため、自動車製造業者を中心とした関係者に適切な役割分担を義務づけることにより使用済自動車のリサイクル・適正処理を図るため、新たなリサイクル制度が必要になってきました。

2 法律の概要
 これまで自動車リサイクルを担ってきた関連事業者が最大限機能するような仕組みとすることを前提に、関係者の役割が明確化され、関連事業者(引取業者、フロン類回収業者、解体業者、破砕業者)について登録・許可制度が設けられます。

関係者 自動車リサイクル法において求められる主な役割
自動車所有者 シュレッダーダスト、エアバック類、フロン類のリサイクル等に必要なリサイクル料金を負担します。
最終所有者は、引取業者に使用済となった自動車を引き渡します。
引取業者
【登録制】
自動車の最終使用者から使用済自動車を引き取り、フロン類回収業者又は解体業者に引き渡します。
〈リサイクルルートに乗せる入口の役割を果たします。〉
フロン類回収業者
【登録制】
使用済自動車のエアコンからフロン類を回収基準に従って回収して、自動車製造業者等に引き渡します。又、使用済自動車は解体業者に引き渡します。
解体業者
【許可制】
使用済自動車からエアバッグ類を回収し、再資源化基準に従って、使用済自動車を適正に解体します。又、回収したエアバッグ類は、自動車製造業者等に引き渡します。
破砕業者
【許可制】
解体自動車(廃車ガラ)を再資源化基準に従って、使用済自動車を適正に破砕(プレス・せん断処理、シュレッデイング)し、自動車製造業者等に引き渡します。
自動車メーカー
・輸入業者
自らが製造・輸入した自動車が使用済になった場合、その自動車から生ずるシュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類を引き取って、適正にリサイクル等(フロン類については破壊)を行います。又、自動車の設計・部品又は原材料の種類の工夫を通じた自動車の長期使用の促進と再資源化を容易にし、リサイクルに要する費用の低減を図ります。
関連業者には、自動車の構造・部品・原材料に関する情報を的確に提供し、リサイクルの実施に協力します。

3 新しい自動車リサイクル制度の実務
 自動車リサイクル法では、自動車製造業者等は自ら製造・輸入した自動車が、使用済自動車となった場合に発生するフロン類、エアバック類、シュレッダーダストについて、引き取ってリサイクル(フロン類は破壊)することが規定されており、法律に関わる業務を確実・円滑に行うための体制整備として、自動車再資源化協力機構の設立や、グループによるシュレッダーダスト・リサイクル施設等が構築されています。

フロン類とエアバック類については、共通引取窓口機能として『(有限責任中間法人)自動車再資源化協力機構』が設立され、諸契約や回収料金の支払等について関連業者への窓口として機能することになります。

シュレッダーダストについては、各自動車メーカー・輸入業者が2つのグループを形成し、シュレッダーダストの引取やリサイクルを実施します。

 自動車リサイクル法による新しいリサイクル制度の実務は、自動車メーカー・輸入業者・指定再資源化機構を中心に、3品目の引取やリサイクルが行われ、資金管理法人によるリサイクル料金の預託・管理や、情報管理センターによる電子マニフェストの運用が行われます。

Q1 リサイクル料金って何?誰が支払うの?
A リサイクル料金とは、自動車を解体・破砕した後に残るゴミであるシュレッダーダスト、エアバック類のリサイクルとカーエアコンのフロン類を破壊するために必要な料金です。リサイクル料金は、自動車所有者の方に原則新車購入時または継続検査時にお支払いいただきます。国が指定する資金管理法人[(財)自動車リサイクル促進センター]に預託していただき、自動車が使用済みになる時まで確実に管理することになります。なお、3品目の料金に加え、リサイクル料金の管理に必要な費用(資金管理料金)と使用済自動車の引取り・引渡しの情報管理に必要な費用(情報管理料金)についてもお支払いいただきます。

Q2 リサイクル料金っていくらなの?
A リサイクル料金はシュレッダーダストの発生見込量、エアバック類の個数・取り外しやすさ、フロン類の充てん量などを踏まえ、自動車1台ごとに自動車メーカー・輸入業者が設定します。その水準はまだ未定ですが、可能な限り早期に発表できるよう自動車メーカー・輸入業者も取り組んでいます。

Q3 どうして新車購入時または継続検査時に支払うの?
A リサイクル料金を廃棄時点で支払っていただくとした場合、その負担感から自動車が不法投棄されることが懸念されることなどから、原則新車購入時または継続検査時にお支払いいただくことになります。


自動車リサイクル法に関するお問い合わせは
経済産業省 製造産業局 自動車課
 〒100-8901 東京都千代田区霞ヶ関1丁目3番1号
 TEL 03-3501-1511(代表)
環境省 大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部
 企画課 自動車リサイクル対策室

 〒100-8975 東京都千代田区霞ヶ関1丁目2番2号
 TEL 03-3581-3351(代表)
社団法人 秋田県自動車整備振興会
 〒010-0962 秋田市八橋大畑二丁目12-63
 TEL 018-823-6546



自動車リサイクル法がスタートする
2005年1月1日以降に
新たに販売される自動車
車を購入する時に預託
(新車購入時預)

※登録、検査時の預託確認は2005年2月1日から始まります。
     
自動車リサイクル法がスタートする
2005年1月1日に
既に保有されている自動車
継続検査、中古新規登録検査、構造等変更検査を受ける場合
2005年1月1日以降最初の車検、
中古新規登録を受ける時に預託
(継続検査時預託:3年間の時限措置)
 ※登録、検査時の預託確認は2005年2月1日から始まります。
継続検査、中古新規登録検査、構造等変更検査を受けずに使用済みにする場合
(構内車、後付装備分も含む)
使用済自動車として、
引取業者に引き渡す時に預託
(引取時預託)


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