先進組合事例
<VOL.14>

プラント全景

〜「能代木質バイオマス発電」組織を超えた人のつながり〜
能代森林資源利用協同組合

住 所 〒016-0121
秋田県能代市鰄渕字亥の台2-6
理事長名 鈴木光雄
電話番号 0185-70-1255 FAX番号 0185-70-12883
設 立 平成13年7月 出資金 33,000,000円
組合員数 6人 理 事 6人

設立の背景

隣接する組合員企業へ蒸気を送る配管
 能代市は、米代川下流に位置し多くの木材関連企業が集積している地域である。
 平成12年に廃掃法が改正され、各製材工場等でスギ樹皮・端材等を焼却処理する場合は、平成14年12月までに、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく排出基準値をクリアすることが義務付けられた。
 ただ、新たな設備導入は、多くの企業にとっては経営基盤を揺るがしかねない問題となることから、米代川流域林業活性化協議会内に、産学官で構成する分科会を設置し、スギ樹皮・端材等の有効利用について検討を重ねた結果、「木質ボードの原料化及びバイオマス発電の燃料化が最適」との結論に達し、地域木材関連産業の維持・発展、森林資源の有効利用を図ることを目的として、平成13年7月協同組合を設立した。

事業の特徴

鈴木理事長
*発電施設の概要*
◇稼働開始 平成15年2月
◇発電量 3,000kw/h
◇蒸気産出量 34t/h
◇人員 9名
 組合の主な事業は、組合員から受け入れる樹皮・端材等を燃料として利用し、最大3,000kw/h(設備消費約650kw/h)の発電を行い、発生する電気・蒸気は、隣接する組合員企業(平日24時間操業)へ供給販売している。
 本組合の電気・蒸気の供給事業は、複数の企業等が連携した取り組みとして、全国的に注目を集めているが、組合設立から僅か約1年半余の間にプラント稼働に至ることが出来た背景として、まず安定した電気・蒸気需要企業の存在、また、組合員企業等にバイオマス発電のノウハウがあったことは勿論のこと、業界、行政、研究機関等からの多岐に亘る支援など、地域の産学官が機能的に連携出来たことも特筆すべき点である。この明確な目的の下に形成された、組織を超えた人と人とのつながりといった「目に見えない」部分が組合事業の重要な鍵となっている。そして組合の原点である人的つながりにより、組合員の廃掃法改正への対応や木質資源の有効利用を推進している。

今後の取り組み
 燃料として使用する木質バイオマス資源は、組合員からの受け入れのほか、公共事業・ボランティア団体の活動により発生する松食い虫被害材等の受け入れを積極的に行うこととしている。
 稼動開始当初は、供給先の稼動に合わせた設備運転を行っていたが、現在は「RPS制度」(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)を利用し、電気・蒸気の供給先である組合員企業の休業日も設備の連続稼動を実施している。

理事長コメント
 今後、生産する蒸気の利用をさらに推進することにより、発電の効率化を目指している。



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