平成17年度 地区別組合代表者会議を県内6地区で開催

 本会への要望と地区内会員同士の交流を目的とした地区別組合代表者会議を、7月5日(火)の大館会場を皮切りに7月26日(火)の秋田会場まで、県内6地区で開催した。
会議では、本年度の本会重点事業や創立50周年記念事業等について説明を行った後、県内の組合が置かれている状況を踏まえて出席者と意見交換を行った。出席した各組合の理事長等からは、業界の問題点や本会または行政機関への要望等が積極的に出されるなど有意義な会議となった。
 なお、今回出された意見・要望等への具体的な対応としては、平成18年度の組織化集中指導事業による支援並びに業界の方向性を探るための懇談会の開催や県等行政機関の支援策を個別に行うこととしている。また、例年行われている秋田県知事との懇談会の中で行政関係に対し陳情を行ったり、今後の組合巡回等を通じて課題の掘り起こしや会員ニーズの把握を行う等、会員の皆様への積極的な提案を行って行くこととしている。
 各会場で出された意見・要望等の主なものは次のとおりである。

【大館会場 7月5日(火)】

大館会場風景
(1) 地方で元気な商店街は少ない。元気なのはイベントの時だけ。行政もこの現状を理解しているのにどう取り組んで行くのかが見えない。もっと本質を見るよう地方からも声を上げるべきである。
(2) 入札は、大手業者中心で地域の企業が入れない状況。ある大型物件入札時も地元に下請けをという話が、結局他県業者に行った。これは通常価格と入札価格に大きな差がありすぎ、結局参画できなかったことによるものである。
(3) 車検業界は、本来技術で生きている。しかし最近他業種からの参入が見られ、ユーザーに十分な説明をせずに車検を行うためトラブルが多い。業界のイメージダウンが心配である。
(4) 林業は、木材価格の低迷が続きどん底状態にある。高性能機械導入や流通等のコスト削減が必要だが現実は難しい。日本の住宅事情と流通変革という構造的な問題がある。
(5) 米国では、地場産業育成のためアジア諸国等から安い物が入ってくると輸入を規制している。日本も国内業者を守ろうとするなら、ある程度の規制が必要ではないか。

【鹿角会場 7月8日(金)】
(1) 燃料高騰が大きな問題。運送業で燃料費が2割を超すと経営的に厳しい。高速夜間割引や通勤割引等を上手に利用するしかない。
(2) 廃棄物処理の観点から、処理後の路盤材をどうするか悩んでいるが、行政の動きが鈍い。
(3) TMOを組織し基本計画を組んだが、行政は動いてくれない状況で、今までの基本計画の組み直しも必要となってくる。また、市内に大型店が進出してくるということだが、最終的には阻止する方法がないのが現状である。

【能代会場 7月12日(火)】
(1) この春から共同販売を開始し、良質な製品を提供しているが、実勢価格と材料の値上がり等で厳しい状況が続いている。また、公共事業の削減もあり、高速自動車道の工事も今年一杯で終了するなど、特需仕事が少なくなってきている。
(2) 入札も実績の少ない業者はテーブルに乗れない。また、入札価格は見込価格の半分くらいが現状。入札システムそのものの改善が必要である。
(3) 国は、規制緩和の一方で、食の安全・安心というキーワードの中で農薬や原材料等については、採算性を無視した規制をしているのではないか。海外から安い加工製品が入ってきて厳しい状況にあり、今後は国産品の付加価値を高めることが課題である。
(4) 4〜5年前はユニクロブームであったが、縫製業界は今、安いものを求める市場と国産の良いものを求める市場の二極化が進んでいる。
(5) アーケードが老朽化しており、人身事故も懸念される。ブロック要望事項にもあるとおり撤去費用の一部補助をお願いしたい。
(6) 団地内で輸送業者が営業所を閉鎖した。大手業者が配送システムを確立している中で、インフラの整備が遅れた結果と思われる。厳しい状況下、今後は情報を共有しながら乗り越えていきたい。

【湯沢会場 7月15日(金)】
(1) 早急なまちづくり3法の見直しを望む。TMOの機能については行政の理解が不足している様に思われる。
(2) 発泡スチロールのリサイクルを行っている。行政とタイアップして事業拡大をしたいが資金面も容易ではない。
(3) 労働集約型産業の典型である縫製業界は、短納期・小ロット化や低工賃等で厳しさが続いている。また、外国人研修生の場合、日本人従業員と異なり休暇が重なりラインが停止することはない。
(4) 住環境の洋風化や贈答品等の減少に伴い生産量が落ちている。世代交代は進んでいるが従業員確保が難しい。海外市場で漆器に似た安価な製品が流通し、評価は高いが販売拡大に繋がっていない。
(5) 組合事業として購買、販売を始めた。組合ブランドの理念づくりと商標権の確立を検討している。

【横手会場 7月22日(金)】

横手会場風景
(1) 納豆業界は、大手流通メーカーの寡占化の影響で特売路線に巻き込まれた。現状の厳しい取引条件では経営が成り立たない。独禁法は、消費者保護の立場であり不当廉売には対応していない。
(2) 業者スタンプは上納が多額なため5年前に組合独自のスタンプカードに切り替えた。高齢化、後継者不足と各個店の魅力向上が今後の課題である。イベント事業への補助、商工業者・組合への補助事業の状況を教えて欲しい。
(3) 組合では、技術力に加えサービス面の強化を図っている。リピートによる生涯型受注を目指し、提案型営業で顧客を回っている。電気工事業界としては、受注時のダンピングや他エネルギー業界との競争が問題である。
(4) JA葬祭や他互助会系の進出により業界の体力は落ちている。今年度の集中指導事業では、個店強化のためPR方法・媒体の有効活用をテーマに取り組んでいる。全国で前払(共済的)制度を取り入れた事例等があれば情報を提供して欲しい。
(5) 団地内には様々な業種が集まっているが残念ながら脱退が1社あった。全国組織商団連でも団地内の空き地、空きビルが一旦、組合所有になった場合の固定資産税について議題になっている。
(6) 砕石業は全国的にも希な組合である。燃料高騰の影響が大きい。これからは自然破壊と緑化が業界の課題である。

【秋田会場 7月26日(火)】

秋田会場風景
(1) 中心街区再開発については、プランは出来るがいつも“絵”だけが残り、その間に郊外型が進む。行政、商工団体等にもっと本腰を入れて欲しいし、我々も行政等と一体となって取り組んでいきたい。
(2) 原油の高騰により製麺業界においても原料費等の負担が増えている。量販店に価格面や地元メーカーの製品取り扱いについて話し合いができる場を設けて欲しい。
(3) 学校給食用パンを納入する組合員が多いが、市町村合併や学校統合等行政の都合で突然取引が停止される場合がある。当然、組合員には設備投資や後継者等の計画もあるので、事前に話し合いを実施して頂きたい。
(4) 規制緩和により、水道工事店の指定は少ない費用と責任者名があれば受けられ、現在270社程度存在する。体に入る水を扱うのには容易過ぎる。近々要件等が見直されるが厳しくするよう陳情する。
(5) 紙器加工業者の集まりであるが、この厳しい経営環境下でなかなか本音で語り合うことは難しい。他県の組合が解散していく中で、今後どのように組合を再生、活性化して行くか悩んでいる。是非中央会の支援を借りたい。
(6) この厳しい状況下で、我々の要望が通りにくいのは分かる。逆に、行政として、或いは中央会としてのスタンスを示して欲しい。例えば、地産地消を言うなら、“もっと地元で買い物を”という啓蒙普及活動を進めて欲しい。



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