平成17年度 重点事業を振り返って
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本会では、平成17年度事業の実施に当たって、『中央会は 中小企業のネットワークプランナー』のキャッチフレーズを掲げて積極的な事業展開を推進した。
本誌では、実施した様々な事業の中から重点事業にスポットをあて、その実施内容を紹介します。 |
組織化集中指導事業
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組合が抱えている課題等の解決を図るため、専門家等を活用し、新規事業の模索、組合員経営者及び従業員の資質向上のための経営・技術研修を行い、組合員への経営支援を含めた組合運営全般のレベルアップが図られ、目標通りの成果を上げることができた。平成17年度は、次の15組合に支援を行った。
平成18年度も組合の課題解決を図るため、16組合を対象に実施することとしている。 |
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組合ローリングプラン支援事業
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各種補助金や制度融資を活用して事業展開を行っている組合を対象に、当初計画と実績とのズレを修正して改善策・対応策を講ずる(=ローリングプラン)ため、平成17年度は次の3組合に支援を行った。
(1)協同組合米内沢ショッピングモール (2)企業組合男鹿半島振興会 (3)協同組合大曲市公設小売市場 平成18年度も効率的な事業展開を図ろうとする2組合について支援することとしている。 |
組合特定問題研究会
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業種別組合等が抱える問題点を研究するため、県外の先進的なリーダーとの懇談会を開催し、経営上の問題解決等を図った。
平成17年度は次の3業種等を対象に実施した。 (1) ハイヤー業界運営懇談会(3回) ◆テーマ 「自家用自動車回送事業システムの確立とその実用化について」(ニーズ調査を含む。) (2) 外国人研修生受入組合運営懇談会(4回) ◆テーマ 「成果の上がる外国人研修生受入事業の推進について」ほか。 (3) 協業組合運営懇談会 「循環型社会への環境システム構築について」 (し尿処理・管理業) ◆テーマ2 「寝具店の経営と共同施設(工場)の今後の運営について」 (製綿・打綿業) ◆テーマ3 「顧客(観光客)ニーズへの対応と新たな事業展開について」 (ドライブイン業) 平成18年度も業界等の課題解決を図るため、3業種等を対象に懇談会を開催することとしている。 |
デザイン提案プロジェクト推進事業
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(1) 地域デザイン懇談会の開催
田沢湖畔業者組合を対象に2回の懇談会を開催した。「食」をキーワードに地元産食材の活用やご当地メニュー導入など実現の可能性が高い部分から実践していくこととなった。水深日本一にこだわった田沢湖のイメージデザイン案が提示され、名刺に使用されるなど好評を博している。 この他、デザインコンペの現状と課題を検討するため、デザインコンペを所管する行政との懇談会や県内企業とデザイナーの交流の場としてナイトセッションを開催した。 (2) 第5回あきたデザインフェスタの開催 アルヴェ会場では「日常美術館」として、日常生活のシーンに登場するモノたちを美術館で観るような客観的な視点で見つめ、考える空間を演出した。一方、ポポロード会場では、テーマを「秋田の凸(とつ)」に設定し、秋田に存在する凸起(突起)を軸に自由な発想で表現したポスター展が行われ、通行人の目を引きつけた。 |
グループ創業バックアップ事業
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平成17年度は、起業家体験談として自らの手で職場を作り出した企業組合の活動事例紹介と高齢者の意欲と能力を発揮する場としての高齢者ビジネスの社会的意義と可能性等についてセミナーを開催したほか、起業や新たな事業展開に取り組む際の心構えからビジネスプラン作成等について学ぶ場として創業塾を2日間に亘って開催した。 平成17年度は、当事業を通して2つの企業組合が新たに誕生した。 平成18年度も引き続き、県内でグループで創業を考えている人達を支援していくこととしている。 |
戦略的経営改革促進支援事業
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実施内容は、『戦略的経営改善研究会』を立ち上げ、専門家を講師に招いた勉強会5回と研究会会員から選定されたモデル企業2社での事例研究2回の計7回を開催し、理論と実際の現場での取り組みを通じて、経営改善手法の習得と現場へのフィードバックについて理解を深めた。 また、モデル企業の2社では、「納期・リードタイム・在庫の削減」と「IT活用による工程管理」の各テーマに対し、専門家による実地指導が行われ、企業が抱える課題解決への取り組みを行った。 平成18年度も更に内容を充実させ、会員組合や構成員企業の経営改善に役立つように実施することとしている。 |
中小企業アライアンス促進事業
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平成18年度も引き続き本事業を通して、企業間のネットワークづくりを支援していくこととしている。 |
組合情報化推進研修事業
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少人数で1人1台のパソコンを利用して、パソコンの立ち上げから段階的にインターネットや表計算等ソフトの操作研修にステップアップできる研修内容が非常に好評で、アンケートでは「参加して良かった」、「また参加したい」との声が多数寄せられた。 平成17年度の開催内容は次のとおり。
平成18年度もニーズの多い講座を中心に、入門講座、活用講座を開催し、前回受講者もさらにステップアップが図られるように計画しておりますので、是非、ご活用下さい。 |
若手職人育成事業【秋田県からの受託事業】
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若手職人の育成に向けた県内各事業所の取り組みをサポートすることにより、業界の振興を図り、若年者の技能を有する分野への就業促進・定着を図ることを目的に、秋田県から委託を受けて次の事業を実施した。 (1) 若手職人育成サポーターの募集・登録 主に本会会員組合の製造業組合・団体に対しFAX調査を実施し、業界OBを中心に継承すべき技術・技能を有する方で、その継承に意欲的な人材の推薦をお願いしたところ、7名の登録があった。今後も随時募集登録に努め、今後の業界や企業における若手職人育成へと繋げていくこととしている。 (2) 若手職人育成サポーターの派遣 県内各事業所からの要望を受け、登録された「若手職人育成サポーター」を各事業所に派遣し、アドバイスや技術指導・伝承を実施した。 本年度は、曲わっぱ製造、木材乾燥、家具製造、配管工事、樽製造の5分野・5事業所を対象とし、1事業所当たり6回実施した。 |
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(大館市:大館曲ワッパ協同組合組合員) 鉋(カンナ)の掛け方から曲げ加工技術、煮沸、桜皮縫い技術など、伝統的な曲げわっぱ製造の基本技術を取得させることを目的に、佐々木悌治氏(工房佐々木・伝統工芸士)をサポーターとして派遣し、技術指導を実施した。 |
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(秋田市:秋田管工事業協同組合組合員) 施工図に準じた管工作手順や管組立施工技術など、配管工事の基本技術を取得させることを目的に、井川信晴氏(建築設備工事全般)をサポーターとして派遣し、技術指導を実施した。 |
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(秋田市:秋田スギJAS製材販売協同組合組合員) 機械マニュアルだけでは対応できない、より密度の濃い秋田スギ人工乾燥技術のノウハウを取得させることを目的に、協同組合秋田県北木材センター(大館市)の協力を得て、畠山渥美氏(同組合乾燥技師)から技術指導を受けた。 |
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(湯沢市:協同組合秋田県家具工業会組合員) 家具製造技術に付随した木製パーテーションや襖、ドア等の修繕等表装の基本技術を取得させることを目的に、山脇俊彦氏(峻栄堂・表装技術)をサポーターとして派遣し、技術指導を実施した。 |
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(能代市:秋田杉桶樽協同組合、秋田県能代桶樽 業協同組合組合員) 伝統的な「竹たが」削りや、竹釘づくり、木取り削り等桶製造の基本技術を取得させることを目的に、小野士朗氏(小野製樽所・伝統工芸士)をサポーターとして派遣し、技術指導を実施した。 |
◎ この機会に熟練サポーターの技術・技能を取得しようとする「若手職人」の真剣に取組む姿が印象的で、サポーターからは「自身の技術や技能を若い人に伝える機会を待っていた。今後も機会を見てどんどん伝承していきたい。」というコメントも多く寄せられている。
平成18年度も、より多くのサポーターを登録・派遣することで、県内若手職人の育成に向けた技術伝承と就業意識向上を図っていく予定としている。 |
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