『中小企業地域資源活用プログラム』の創設について
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〜中小企業の地域資源を活用した事業展開の促進〜
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経済産業省中小企業庁では、平成19年度より各地域の「強み」となり得る地域資源(産地の技術、地域の農林水産品、観光資源)を活用した、中小企業による新商品・新サービスの開発・市場化を、関係省とも連携して総合的に支援を行う施策パッケージ『中小企業地域資源活用プログラム』を創設し、中小企業地域資源活用促進法(仮称;2007年通常国会に提出予定)に基づく支援などを中心に地域資源を活用した新しい事業展開を強力に支援し、5年間で1,000の新事業創出を目指します。
次にプログラムの概要をご紹介します。 |
I 『中小企業地域資源活用プログラム』のポイント
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○ 地域の「強み」となる地域資源を、地域主導で掘り起こす取組を支援。
○ マーケティング、ブランド戦略に精通した人材・仕掛人。 ○ 産学官連携、農工連携など、従来の垣根を越えて、地域の力を結集。 ○ 首都圏など大都市、更には海外市場を視野に。 |
II 地域資源とは
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地域資源の具体的な形は多岐にわたり、それぞれの視点により地域資源の考え方は異なりますが、例えば、地域で生産されてきた農林水産品、産業集積地の特徴的な素材・技術、自然や伝統などの観光資源など有形無形の資源が浮かび上がります。地域資源のとらえ方は幅広く、地域の中小企業が有効に活用する素材であり、地元での再発見が期待されます。
この中小企業地域資源活用プログラムにおける地域資源を活用した中小企業の取り組みは、大きく分けて「産地技術型」、「農林水産型」、「観光型」の3類型となります。全国には次のようにこの3類型に当てはまる地域資源を活用した挑戦がすでに始まっています。 |
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(有)竹田ブラシ製作所(広島県熊野町)
★ポイント マーケティング専門のアドバイザーの徹底した支援 |
【その他、特色ある文化財等を活用した事例】
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山形カロッツェリアプロジェクト(山形県)
・2006年1月には、選抜した5社の製品群を「山形工房」というブランド名でインテリア国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展。最有力コーナーでの出展を実現し、多数の商談が進展。 |
(株)織元山口(山形県米沢市)
・プリントではなく本物の織物により高密度、高繊細な制作を実現。 ・国際的にも高い評価を獲得し、国際コンテストでも数多く受賞しメトロポリタン美術館にも作品が所蔵されている。 ・販売にあたっては、ネットショッピングに参入し、売上げの拡大を図っている。 ・従業員:5名 |
(株)竹中製作所(富山県高岡市)
・「ガラスキャスト」として製品化し、開発に協力した建築家の関係で、窓や足もと灯いくつかの公共施設や高級マンションで採用。新しい美術建材として評価されている。 ・さらに、本製品は蛍光管のリサイクルガラスを使用したエコ商品として開発されており、エクステリヤ装飾部材としてYKKに提案し採用された。 ・従業員:73名、売上高:44.4億円 |
・デザインと品質の高さを兼ね備えたアルミ鋳造花器の開発・販売に取り組む。 ・世界最大の家具とインテリアデザインの見本市「ミラノサローネ」に単独で出展し、高い評価を受け、ミラノの高級家具メーカーとの取引につながる。 ・イタリアのデザイナーとの連携が評価を得ており、現在では、都内で4店舗、関西で1店舗のインテリアショップ等の小売店での取り扱いが実現し、これらの他にオンラインショップでの販売も行っている。 ・従業員:35名 |
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・コラーゲンを鮭の皮から抽出・精製する技術を実用化し、化粧品、食品、試薬品等向けに加工販売。 ★ポイント 大学や公設試との連携により、鮭皮からコラーゲンを抽出する技術を確立 |
【その他、特色ある文化財等を活用した事例】
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ブナコ漆器製造(株)(青森県弘前市)
・ブナコ漆器製造(株)は、首都圏のデザイナーを起用して、「ブナコ」照明器具を開発。六本木ヒルズや青森県立美術館など県内外の先進的な建造物の照明に採用され、自社ブランド「BUNACO LAMP」を確立。 ・従業員:24名、売上高:1.2億円 |
(株)とみうら(千葉県南房総市(旧富浦町))
・特産品の枇杷を活用したソフトクリームなどの開発や、「南房総いいとこどり」と題した観光情報の発信等を総合的に展開。 ・観光客数は年間100万人突破、年商約6億円(利益約1500万円)で、60人の雇用を創出(町民の約1%に相当)。 ・従業員:9名、売上高5.7億円 |
(株)あいや(愛知県西尾市)
・食品メーカー等とのコミュニケーションを深め、顧客の求める色・味・香りにあった製品開発を進めるとともに、地域のお茶農家と連携して優れた品質管理体制を確立。 ・現在、健康・機能性食品への展開や海外展開に注力しており、米国、欧州のほか、中国にも拠点を設けている。 ・従業員:77名、売上高:35億円 |
(株)お菓子のポルシェ(沖縄県読谷村)
・村の菓子製造業者「お菓子のポルシェ」が、紅芋を素材にした「紅いもタルト」を開発し、全国菓子大博覧会で、農林水産大臣賞、中小企業庁長官賞などを受賞。 ・また、菓子の製造ラインを完備した観光工場「御菓子御殿」をオープンし、観光客の集客など産業振興に大きく貢献したとして県知事よりビジネスオンリーワン賞を受賞。 ・従業員:280名、売上高:25億円 |
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(株)龍氣、医療法人萌気会 (新潟県南魚沼市)
・魚沼の自然、伝統的食文化や温泉を活用して、メンタルヘルスを重視した独自の健康プログラムの事業化。 ★ポイント 新たな連携により、これまで見過ごされていた地域の良さを引き出した |
【その他、特色ある文化財等を活用した事例】
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・江戸時代から明治期にかけての伊勢路の特徴的な街並みを再現し、名産品・歴史・風習などが一度に体感できる観光施設を整備。 ・入丁者数は開業当時200万人であったが、年々増加し、昨年は341万人超となっている。 ・従業員:438名、売上高:87億円 ※従業員数・売上高ともに(株)赤福 |
・地域の旅館・ホテルが連携して、鹿児島が誇るオンリーワンの地域資源を活用し、それに運動を組み合わせた「食・運動・温泉」をキーワードに新たな観光振興に取り組んでいる。 ・黒豚や地鶏、にがうり等の地場産品を使って、各人の必要カロリーに応じた食事と、ウォーキング、天然砂むし温泉を組み合わせた健康増進プログラム「スパドゥ」を実施。 ※本プログラムの有村佳子氏は、観光カリスマにも選ばれている。 |
III 『中小企業地域資源活用プログラム』の概要
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1 「中小企業地域資源活用促進法(仮称)」に基づく支援
(域外市場を狙った新商品開発等の開発・事業化に対する支援) |
2 その他の支援(地域資源を活用した新たな取組を掘り起こすための支援策)
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○地域中小企業と外部人材とのネットワーク構築活動に対する支援。
○地域資源を活用するための大学等と連携した研究開発に対する支援。 ○(独)中小機構による商談会の開催やアンテナショップの開設。 等 |
IV 中小企業地域資源活用促進法(仮称)に基づく支援のスキーム
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V 中小企業地域資源活用促進法(仮称)の認定を受けた中小企業等に対する主な支援措置
(域外市場を狙った新商品等の開発・事業化に対する支援) |
【補助金等】
○地域資源活用売れる商品づくり支援補助金(売れる商品づくり支援事業 30.0億円) 試作品開発、展示会出展等に係る費用の一部を補助。(補助率2/3) ○マーケティング等の専門家による継続的なアドバイス(ハンズオン支援事業 20.3億円) ○中小企業基盤整備機構が主催する商談会やアンテナショップに対する優先的な出展 (中小機構交付金 8.4億円)
【融資等】
○政府系金融機関による低利融資(中小公庫、国民公庫、商工中金) ○信用保証協会の債務保証枠の拡大(中小企業信用保険法の特例) ○高度化融資 ○食品流通構造改善促進機構による債務保証等 【税 制】
○設備投資減税(中小企業等基盤強化税制) −機械及び装置を取得した場合、取得価格の7%税額控除、又は30%特別償却 −機械及び装置をリースした場合、リース費用の総額の60%相当額の7%の税額控除 |
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