平成19年度 分野別専門委員会を開催
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本会では、中小企業における諸問題を検討するため、会長の諮問機関として「総合・組織」、「金融・ 税制」、「労働」の分野別に専門委員会を設けている。
本年も第59回中小企業団体全国大会(10月25日(木)、東京都両国:国技館にて開催)に向け、東北・北海道ブロック中央会会長会議に提出する秋田県の要望事項を審議するため、去る6月4日(月)の「金融・税制専門委員会」を皮切りに、6月6日(水)に「労働専門委員会」を、6月7日(木)には「総合・組織専門委員会」を開催した。 各委員会では、本年2月〜3月にかけて開催した業種別会議での意見交換の内容から抽出した事項を中心に審議し、以下の項目に取りまとめた。 |
■総合
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1 景気対策
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大都市や大企業等への経済集中が進み、地域における景気や有効求人倍率にも回復が見られない状況が続いている。
このため、地域間・業種間の格差を考慮したきめ細かな地域中小企業の景気対策を重点的に実施し、大多数を占める地方の中小企業がその効果を実感できるよう、地方に焦点を当てた総合的かつ強力な振興施策を実施すること。 |
2 中小企業連携組織対策
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我が国経済の発展を図るためには、地域経済・雇用の中核を担う中小企業の振興が是非とも必要である。また、地域経済の発展のためには、その礎となる中小企業への支援が今まで以上に必要不可欠であることから、従来国で実施されてきた本事業が、今後も各都道府県で確実に実施されるよう、国は予算編成にあたり、中小企業対策予算の大幅な増額を図るとともに、中小企業連携組織対策事業に係る予算措置を確実に実施すること。
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3 原油高騰対策
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原油価格の高騰は、原材料の確保難やコストアップ等、中小企業経営の根幹に関わる問題であるため、国は、原油価格の高騰が地域中小企業の経営を阻害することのないよう、石油製品価格の安定化対策や金融・税制面からの各種対策を講ずること。
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■官公需
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1 官公需適格組合の活用促進
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官公需適格組合は、官公需の共同受注体制が整備されている旨を中小企業庁が証明している組合であり、国等の契約の方針にも、その積極的な活用が明記されている。
しかし、現状では十分に活用されているとは言い難いため、官公需の発注にあたっては、官公需適格組合の一層の活用を図るとともに、地方自治体においては、官公需適格組合への認識が不足しているため、国は、地方自治体等発注機関窓口に対し、更なる周知徹底を図ること。 |
2 官公需の入札制度等の公正化
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中小企業向けの官公需が減少する中、原価を度外視した低入札価格(ダンピング受注)が増加し、中小・下請企業者の受注機会が十分に確保されていない等、公正な競争が損なわれている。
このため、原価を無視したダンピング入札の排除措置を講じ、全ての発注において最低制限価格制度を導入し、公共工事については、単価基準や落札額等の透明化を一層推進する等、官公需の入札制度等の適正化・公正化を図ること。 また、入札等の電子化の推進に当たっては、参加資格の色分けや地域性を考慮し中小企業者への説明等を十分に行い、受注機会が損なわれることのないよう配慮すること。 |
■まちづくり
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1 支援強化
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中心市街地活性化法及び都市計画法が改正され、今後「コンパクトで賑わいあふれるまちづくり」の形成が求められている。
まちづくり三法の改正趣旨を踏まえた、実効性のあるものとするため、更なる支援強化を図ること。 |
■流通・サービス業
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1 中央卸売市場の再編
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現在の第8次中央卸売市場整備基本方針に次いで、平成22年度にも想定される国の第9次中央卸売市場整備基本方針においては、中央卸売市場の地方卸売市場への転換その他再編措置に係る取扱数量等の基準が一層厳しくなることが予想される。
国の再編基準が、出荷市場・消費市場の区別なく全国一律の基準であることから、地方の実情に見合った適正な基準づくりを行うこと。 また、中央卸売市場から地方卸売市場へ転換する場合においては、市場施設の整備等に関する各種支援の充実を図ること。 |
■環境・エネルギー
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1 食の安全確保
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国は、農作物の生産効率の向上を目的とした遺伝子組み換え農作物について、大豆、トウモロコシ等数品目の輸入を許可しているが、専門家や消費者団体等からは、その安全性を疑問視する声も多い。このため、食に関わる原材料の安全性を確保すべく、安全・安心な非遺伝子組み換え農産物の輸入を積極的に推進すること。
また、昨今、代替エネルギーである「バイオエタノール」が注目されているが、その原材料となるトウモロコシ等の生産にシフトする農家が増加しつつあり、大豆等を原材料とする食品加工業者にとっては、その原材料の確保が更に難しくなることから、生産や価格面からの対策を講ずること。 |
■金融
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1 信用補完制度の適正な運用
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平成19年10月1日より、信用保証協会による保証については、リスク負担を「保証協会8割:金融機関2割」とする金融機関の責任共有制度(部分保証等)が実施される。これにより、制度利用者である中小企業に対する金融機関の貸し渋り等が再燃することのないよう万全の措置を講ずること。
併せて、当分の間、小規模企業等は責任共有の対象外とし、現行の取扱いを維持することとなっているが、新制度導入に伴う中小企業への影響を軽減するための措置を講ずること。 |
2 商品券の発行供託金の基準緩和
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「前払式証票に関する法律」により、商品券の未使用残高が1,000万円以上の場合にその残高の2分の1を発行供託金として国に預託しているが、中小企業者にとっては供託金額の基準が厳しく、資金繰りが大変な状況であるため、供託率を3分の1とする等、発行供託金の緩和を図ること。
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■税制
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1 法人税の軽減
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法人税については、現在の厳しい経営環境や担保力に配慮し、中小企業が活力を取り戻せるよう、国内情勢を踏まえ基本税率(30%)の更なる引き下げを行うこと。また、協同組合等の軽減税率の引き下げを行うとともに、中小法人軽減税率の適用所得金額を引き上げること。
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2 消費税の引き上げ議論の凍結
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景気は回復傾向にあるが、地方における中小企業は依然苦境に立たされており、消費税率引き上げ容認論は、中小企業経営者や消費者の将来の不安感を募らせ、景気回復の妨げにもなることから、拙速かつ安易な消費税率引き上げ議論は凍結すること。
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3 租税特別措置の延長
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適用期限の到来する中小企業組合等に関する租税特別措置を延長すること。特に、清酒等に係る税率の特例については、平成19年度末で適用期限を迎えるため、この特例措置を延長すること。
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4 道路特定財源の使途見直しと暫定税率の撤廃
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政府は財政構造改革の一環として、道路特定財源の一般財源化を含めた使途見直しについて検討されているが、道路整備による利益は単に自動車ユーザーだけではなく国民全体が享受するものであり、これを他の使途へ拡大することは納得できない。
また、軽油引取税の暫定税率は、緊急に整備すべき道路財源を確保する必要があるとして、期限を付して暫定的に自動車ユーザーに負担を求めたものであり、使途を拡大する余地があるのであれば、道路特定財源に係る軽油引取税の暫定税率を撤廃すること。 |
5 少子化対策としての税負担軽減制度と「ふるさと納税」の導入検討
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人口減少社会が現実化する中、少子化対策は国の基本政策として取り組む重要課題であり、家族の在り方や保育所の充実等の施策の拡充が重要である。
また、税制面からは、児童に対する税額控除制度等子供が多くなるほど税負担が軽減されるような制度の導入、あるいは、過疎等による税収減に悩む地方自治体にとって格差是正となる「ふるさと納税」の創設を前向きに検討すること。 |
■労働
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1 時間外労働の割増賃金引き上げ反対
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中小企業は企業の存亡を賭け、競争力強化のためコスト削減等に懸命に努力しているが、大企業と中小企業、中央と地方との経済格差は一層広がっており、中小企業にこれ以上の負担を求める時間外労働の抑制策としての割増賃金の引き上げは行わないこと。
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2 最低賃金
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地域間の賃金格差是正のための最低賃金については、中小企業としても理解できるが、中小企業経営は依然として厳しい状況にあり、地域・業種・規模の格差が見られる現状においては、中小企業は賃金の大幅な引き上げに対応することは極めて困難であり、最低賃金の引き上げに応ずるためには、生産性の向上を図り、中小企業全体の底上げを図ることが不可欠である。
このため、まず最低賃金の引き上げありきではなく、生産性向上の結果として、それを反映した最低賃金の引き上げを行うこと。 |
3 就業支援対策の推進
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少子高齢化の急速な進行により、労働人口の減少が深刻化している雇用状況において、高齢者雇用や若年者雇用、障害者雇用等は、生活安定や福祉向上の観点からも総合的に推進していくことが必要であり、中小企業の経営に配慮した就業支援対策を推進すること。
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4 実情に応じた定年延長制度の確立
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意欲と能力のある限り、年齢に関わりなく働き続けることができる社会の実現を目指すため、政府は「70歳まで働ける企業」の実現に向け、「高年齢者等職業安定対策基本方針」の改正を行うこととしているが、業種・業態によっては、高年齢者の雇用が事業活動を阻害することも想定されることから、各業種・業態の実情に応じた弾力的な運用による定年延長制度を確立すること。
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東北・北海道ブロック中央会会長会議が開催される
6月20日(水)、東北・北海道ブロック中央会会長会議が、札幌市「京王プラザホテル札幌」において開催された。会議には、本会から米澤会長等が出席し、本県をはじめ各道県から提出のあった第59回中小企業団体全国大会に向けた案件を審議し、東北・北海道ブロックとしての要望を取りまとめ、決議された。
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