◆背景と目的
使用済自動車の不法投棄等が大きな社会問題となり、適正処理や資源の有効活用を目的に自動車リサイクル法の施行が予定され、自動車販売・整備業者等自動車関連業界はその社会的責任として何らかの対応策を実施する必要性を痛感していた。対応策について調査研究を進めたところ、国内外の中古部品に対する根強ニーズがあること、また、エコタウン事業を推進する釜石市の政策的バックアップを確信し、共同事業としてカーリサイクルセンターを建設して、使用済自動車から生産される中古部品や再生資源の共同販売事業を行うこととした。
◆事業・活動の内容
当初、岩手県内で廃棄が見込まれる自動車の2割に当たる年12,000台を処理目標としてスタート、3,800平方メートルの工場に、自動車解体機2台、プレス機1台、残留液回収・貯蔵システム等を備え、将来的には年間24,000台の処理が可能な工場を建設している。タイヤ・アルミホイール・オーディオ・バッテリー・エンジン・その他のリユース品は自動車整備業者や商社等に、スクラップは電炉メーカーや専門商社に販売している。商圏は北海道から九州まで、マレーシアなどに商社経由で輸出もしている。中古部品ネットワークに加入して多種多様なニーズに応えるとともに、当組合商品の販売機会の増大を図っている。
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◆成果
外部環境の大きな変化を受けて扱い台数は目標に到達していないが、1台当たり付加価値額の向上運動や営業拠点整備当により現状の少ない台数で損益分岐点売上をクリアする経営システムを構築しつつある。組合員は、使用済自動車のり品質が良く、安価な中古部品を豊富な在庫の中から迅速に調達できるメリットを享受している。今後、受発注業務のスピードアップ、販売機会の増大、利益率の向上などを図るため、HPの開設や中古部品のコンペ等の取り組みが計画されていることから、インターネット販売に関するスキルをもった人材を確保するなどして早期に実施することが期待される。
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