◆背景と目的
大沼郡三島町は、人口約2,200人余りの過疎化と高齢化が進展している地域であり、高齢化率も約4割と高い。主な産業は、農業と林業であり、町内には事業所も少なく、雇用の確保が課題であった。早戸温泉は、1200年の歴史がある名湯薬湯で、早戸地域の住民が温泉組合を結成して個人に委託して維持してきたが、高齢化と後継者難のために、自力での存続が難しくなった。このため、町に陳情した結果、町が早戸地区交流拠点施設として整備することとなった。
◆事業・活動の内容
町の施設について、指定管理者制度を活用して民間に委託する事になったため、これを受けて地元有志により受け皿組織の企業組合を設立し、受託して事業を実施することになった。設立当初の事業は、温泉浴場・宿泊施設の経営、飲食物の販売、地場産品等の販売である。オープン後、入湯者は予想以上であり、平成18年には顧客のニーズに応えるために飲食店の経営を追加した。さらに、観光施設の魅力を創出するために、旅客不定期航路事業を追加して、只見川山峡船下りを実施している。温泉の泉質が良いことから、湯治客は当初計画の4倍の実績となっている。
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◆成果
入湯客は、年間4万人を超えている。入湯客は、地元近隣住民だけでなく、関東周辺からも訪れている。これにより、町の交流人口が増加した。さらに、入湯客は温泉施設で飲食物の購入や地場産品の購入も行っている。また、新しく始めた飲食店の経営や屋形船による只見川山峡下りは、今後の魅力ある観光施設として期待できるだけでなく、雇用についても大きく貢献し、高齢者の収入増加と比較的若年層の雇用を増大することに大きく成果を上げることとなった。
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