◆背景と目的
当青年部会は、桐生市が誇る伝統的な刺繍工芸を継承しさらに発展させることを目指して、平成元年に刺繍に情熱を燃やす若手経営者によって自発的に発足した。当初から単なる親睦団体ではなく、次代の担い手として刺繍事業を発展させていくための「実務団体」として活動し、現在では組合活動の中核をなしている。組織活動面をみても、青年部の会長は親組合の理事であり、かつ、親組合の理事10名のうち青年部会員が7名を占めるなど組合活動への影響力が強い。
◆事業・活動の内容
青年部会に活動としては、刺繍技術・市場開拓・経営ノウハウなどの「研修会の開催」、情報発信・市場開拓のための「展示会の開催」、21世紀を担う「後継者の育成」、他組合との「交流会への参加」、部会員相互の「親睦会の実施」などがある。なお、最近の新たな活動として、北海道の「よさこいソーラン祭り」に刺繍で装飾したお揃いの長半天と大旗で参加し、観衆の注目を集め桐生刺繍の名を高めた。これらの活動の多くは親組合と一体化して実施しているが、青年部会の影響力と実行力は組合全体の事業活動と活性化に大きく貢献している。
|
◆成果
刺繍業界においても単純加工製品は、中国を中心とした海外製品との価格競争では劣位にあり、国内生産は縮小しつつある。こういった中で、これらの青年部会の活動は、高度な技術力に裏づけされた桐生刺繍ブランドの情報発信に大きな成果を上げている。最近、青年部会員の地道なPR活動が奏功して大手アパレルメーカーからの大量受注にも目途がついただけに、今後は青年部会員と様々な業界との連携により、桐生刺繍製品の新たな販路開拓にも弾みがつくものと期待されている。
|