日本列島組合探険隊
新たな販路・
市場開拓
小さな町から全国へネット販売する広尾産直市場
〜広尾町産直ネット販売協同組合(北海道)〜
◆背景と目的
 従来、全国への情報発信や販路拡大のため、大消費地の百貨店や量販店で催事を利用して商品販売を行っていた。しかし、遠隔地のため経費や人手が掛かり経済性に乏しい状況であったのを反省し、小さな町からも全国に向け情報発信をできるネット販売に手がけることとした。
◆事業・活動の内容
 世界有数の漁田である前浜(襟裳)を擁する当地域は、「ハタハタ、毛ガニ」や太平洋道東沿岸でしか捕れない「シシャモ」など「希少な魚種」や「高級魚」が漁獲される地域である。従来は大量流通での販売形態であり、高付加価値商品としての販売が難しく、また、必ずしも効率がよいものとはいえなかったことから、ネットによる販売を手がけることとした。開始するに当たっては、大手サイトへの登録では出店費用が嵩むこと、小回りが利きにくいことなどから、小さいながら独自でのサイト制作を行い、組合員の登録商品を一括受発注、一括管理運営することとした。
◆成果
 大手サイトの膨大な出店者の中にあって、巨漢の大型店に立ち向かう地方の寄合い百貨店的であるが、広尾町ならではの商品の紹介及び販売方法、そして、お客様に組合員の顔が見えるサイト運営を続けながら、組合員の城が築けるような規模や組織形態にするべく邁進努力している。
 その結果、小さな過疎地でも頑張っている様子が町民はじめ中小企業者に伝わり、閉塞感から脱却しきれない小規模事業者や過疎地域に夢と希望を与えている。


【組合の概要】
所在地:広尾郡広尾町本通5丁目1-1
電 話:01558-2-0288
設 立:平成17年8月
組合員:21人
URL:http://hiroo-net.jp/

青年部による
組合活性化
会員相互の「和」と刺繍本来の美しさで「感動」を!
〜桐生刺繍商工業協同組合(群馬県)〜
◆背景と目的
 当青年部会は、桐生市が誇る伝統的な刺繍工芸を継承しさらに発展させることを目指して、平成元年に刺繍に情熱を燃やす若手経営者によって自発的に発足した。当初から単なる親睦団体ではなく、次代の担い手として刺繍事業を発展させていくための「実務団体」として活動し、現在では組合活動の中核をなしている。組織活動面をみても、青年部の会長は親組合の理事であり、かつ、親組合の理事10名のうち青年部会員が7名を占めるなど組合活動への影響力が強い。
◆事業・活動の内容
 青年部会に活動としては、刺繍技術・市場開拓・経営ノウハウなどの「研修会の開催」、情報発信・市場開拓のための「展示会の開催」、21世紀を担う「後継者の育成」、他組合との「交流会への参加」、部会員相互の「親睦会の実施」などがある。なお、最近の新たな活動として、北海道の「よさこいソーラン祭り」に刺繍で装飾したお揃いの長半天と大旗で参加し、観衆の注目を集め桐生刺繍の名を高めた。これらの活動の多くは親組合と一体化して実施しているが、青年部会の影響力と実行力は組合全体の事業活動と活性化に大きく貢献している。
◆成果
 刺繍業界においても単純加工製品は、中国を中心とした海外製品との価格競争では劣位にあり、国内生産は縮小しつつある。こういった中で、これらの青年部会の活動は、高度な技術力に裏づけされた桐生刺繍ブランドの情報発信に大きな成果を上げている。最近、青年部会員の地道なPR活動が奏功して大手アパレルメーカーからの大量受注にも目途がついただけに、今後は青年部会員と様々な業界との連携により、桐生刺繍製品の新たな販路開拓にも弾みがつくものと期待されている。


【組合の概要】
所在地:桐生市永楽町6-6
電 話:0277-22-7919
設 立:昭和48年10月
組合員:44人(青年部会員:23名)
URL:http://www7.ocn.ne.jp/~s-kumiai
※本コーナーは、全国中央会が取り纏めた「先進組合事例」をもとに編集しています。



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