景況レポート 景況回復の見通し立たず
〜原油・原材料高騰の影響続く〜
情報連絡員80名 12月分

 12月分の県内景況は、前年同月と比較して、景況が「好転」したとする向きが6.4%(前月調査6.4%)、「悪化」が61.5%(同60.3%)で、業界全体のDI値は−55.1となり、前月調査と比較し1.2ポイント悪化した。内訳としては、前月調査と比較して、製造業は変わらず、DI値は−50.0、非製造業は2.2ポイント悪化(DI値好転組合2件減少、悪化組合1件減少)し、DI値は−58.7となった。
(回答数:78名 回答率:97.5%)


[天気図の見方]前年同月比のDI値をもとに作成しています。
[凡例]

業界全体好転悪化割合[前年比/同月比]


業界の声
豆腐油揚 年末特需により、売上は前月比では増加したが、前年同月比では大幅に減少した。原料である大豆の高騰や燃料費、配送コストの上昇等、景況は極めて悪く、秋田市の老舗メーカーが倒産する等、このままでは業界は深刻な状況になると想定している。
パン製造 12月に一部10%〜20%の間で値上げを行った。数量は若干減少したが、金額ベースでは前年同月を上回っている。一方、学校給食の加工賃アップの交渉を行っているが、妥結していない。
清酒製造 11月の清酒出荷量は2,488キロリットルで、前年同月比95.4%で推移した。タイプ別では、吟醸酒が前年同月比で105.1%、純米酒が97.8%、本醸造酒が90.9%、レギュラー酒が95.2%となっている。
家具建具 材料の値上がりに加え、ブローカーの受注単価が極めて安く、全体の受注単価も安くなっているため、化粧板、金具、接着剤、段ボール、運賃等の値上がり分を製品価格に転嫁出来ない状態であり、景気回復の実感は全くない。
自動車販売 12月の新車販売台数は、登録車が1,500台(前年同月比97.6%)、軽自動車が1,411台(同86.7%)であり、合計2,911台(同92.0%)であった。
石油製品 ガソリンは前月より5円20銭アップし1リットル当たり153円、軽油も前月より5円50銭アップし1リットル当たり131円、灯油も18リットル宅配で150円アップし1,796円となった。12月も元売仕切り価格は上昇しているものの、12月中旬以降は市況が軟化し、特に灯油は仕切価格が上昇したが、マージン不足であり、大変な状況となっている。
クレジット業 クレジット取扱高は、前年同月比94.8%であった。原油高や食品の値上げ、所得の低迷等が消費者心理を冷え込ませている。また、貸金業法の改正に伴う与信の厳格化による貸付額の減少や調達金利の上昇、経費の増加等により収益が圧迫されている。
商店街 「身の回り品」は、冬物を含め需要は引き続き低迷し、前年同月比10%程度の落ち込みとなった。また、「酒類販売」は前年同月並みを維持し、「家電販売」は、テレビの他、暖房機器も低調で推移し、前年同月比10%程度の落ち込みとなった。(秋田市)
旅館ホテル ガソリンや灯油等といった燃料系の値上げ等が著しく影響し、景況は悪化している。元来、周辺人口が少ない地域であり、前述の要因が発生した場合は、例外なく客足の低下につながる傾向が強い。


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