◆背景と目的
岩手県内には210人ほどの素材生産業者がおり、主として製材用の丸太を近隣の製材所に納入していたが、近年、製材所の倒産・廃業などが相次ぎ、新たな納入先を開拓する必要に迫られていた。事業者個々の力では新規開拓も難しく、地域の有力な資源を有効活用するという見地からも協同組合を設立し、共同販売事業に乗り出すことになった。
◆事業・活動の内容
組合で取扱う素材は、県産のスギ、カラマツ、アカマツで、納入先はホクヨープライウッド(株)宮古工場、北日本プライウッド(株)大船渡工場である。かつて素材となる原木は、A級、B級、C級の3段階に分類され、A級品は製材として利用されてきた。製材利用以外の曲がり材、虫食い材、小径木材等は、B級、C級品として山に捨てられていた。組合では、そのB級・C級素材を合板工場に販売している。民有林材が半数を占める一方、国有材林は、東北森林管理局、上記2社と3 者協定に基づくシステム販売を構築した。組合創立以来、共同販売の実績は着実に増加している。民有・国有林の素材販売から合板会社との提携による素材販売システムを構築した協同組合方式による国内唯一の事例である。
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◆成果
設立当初の組合員は24人であったが、平成19年9月末で59人に増加している。また、青森県、秋田県の事業者が賛助会員となり、北東北3県に事業が拡大している。
共同販売の事業実績は、初年度(15年度)の26,350m3に対し、18年度は116,470m3にまで増加している。今後、更に取扱量を増やすためには、山林作業等の効率化・合理化が必要なため、組合員への機械導入普及事業を実施する予定である他、ストックヤードの確保による流通コストの低減にも取り組んでいる。
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