日本列島組合探険隊
地域資源を活用
した事業展開
りんごを知り尽くした企業家によるカットリンゴ事業
〜企業組合アップルファクトリー(青森県)〜
◆背景と目的
 志と希望を持ってりんご農家となったものの、年ごとの気象変化、それによる価格の不安定さ、台風による落下の影響等、農業経営の現実は厳しかった。優良な果実を得ようとする手間とコストがかかり、規模の拡大ができないというジレンマが常につきまとった。また、着色ムラ、キズは避けようもなく、低価格なジュース等に加工するしかなかった。そこで、リンゴ農家を擁する地域のこれらの課題を解決すべく、また、農家の付加価値向上に少しでも寄与することを目的に、本事業を立ち上げた。
◆事業・活動の内容
 主力品種である「ふじ」は、11月を中心に収穫し、そのうち小・中玉りんごを加工する。カットリンゴは、日持ちするとはいえ生鮮食品であるため鮮度保持に努め、また、受注生産ではあるが納期遵守を徹底している。皮むき、カット以外は手作業であるため、衛生管理には特に留意した生産体制を構築してきた。現に、大手流通業者による工場見学の際、問題なしと判断されている。しかし、組合としては更に長期保存可能な製品とするため、また、繁忙期の出荷量増加を目指し、カット工程に新たな加工機を導入する予定である。
◆成果
 内部的成果としては、業容の拡大、課題解決の経緯から各組合員の能力の向上と自信の醸成が図られた。外部的成果としては、地域における年間を通じた雇用の場を創出できたことが挙げられる。さらに、事業開始の動機にもあったように、りんご加工を通じて、地域農家の付加価値向上に資する事業となることができた。
 今後は更に業容を拡大し、雇用の拡大と生産量の増加を目指す予定である。


【組合の概要】
所在地:青森県平川市碇ヶ関古懸不動野25番地
電 話:0172-49-5722
設 立:平成17年2月
組合員:4名
URL:http://www.apple-factory.net/

地域資源を活用
した事業展開
小中学生の体験学習による地域活性化集客交流事業
〜大島民宿協同組合(宮城県)〜
◆背景と目的
 大島は気仙沼地域の観光の中心地であり、最盛期には民宿が約60軒営業していた。しかし、宿泊客の減少や気仙沼市内のシティホテルとの競合等により、現在では約25軒にまで減少している。こうした中、島の自然・人材・食材等を活用し、小中学校の学校教育の一環として、体験学習を実施することにより、地元人材の活用、地元食材の利用による地域商業の活性化、夏季繁忙時以外の集客による民宿の経営安定化を図ることにした。
◆事業・活動の内容
 気仙沼市、大島観光協会、離島進行協議会等と連携し、PRキャラバンとして県内外の小中学校を訪問、また旅行会社とのタイアップによるPRを行っている。体験メニューは、①島の生活資源(地引網等)、②レジャー・アウトドア資源(無人島体験等)、③食材資源(ワカメ・コンブ等)の多岐にわたり、また各自の夕食を自分で作る「夕食づくり」が好評を得ている。現在は既存校のリピート及び口コミによる集客が多いが、今後はインターネットによる集客についても検討すれば、体験学習者の拡大が期待できる。さらに本事業による気仙沼地域への波及効果も見え始めている。
◆成果
 本事業の最初の目的である民宿の集客増については、今まで皆無であった小中学生の体験学習が増えているため、その成果は顕著に現れている。また、体験学習により地元の人材を有効に活用している。さらに地元食材の使用により地域商業の活性化に寄与している。
 一方、小中学生の修学旅行には、体験学習後、気仙沼市内に工場等の見学をする学校も出てきており、市内への波及効果も出始めている。今後更に集客数が増加すれば、観光桟橋の屋根の設置等、インフラ整備による島内の活性かも期待できる。


【組合の概要】
所在地:宮城県気仙沼市浦の浜41-1
電 話:0226-28-3432
設 立:平成4年4月
組合員:25人
※本コーナーは、全国中央会が取り纏めた「先進組合事例」をもとに編集しています。



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