日本列島組合探険隊
共同受注を通じた
生産性向上
家具工事の分離発注を契機に、共同受注に成功
〜山形木工団地協同組合(山形県)〜
◆背景と目的
 山形県内の木工業者は、受注の減少、価格競争の激化などで、廃業が相次いでいた。また、中小・零細規模の事業者が多く、独自の営業活動に取り組むことが困難な状況にあった。このような状況を打破するため、組合として共同受注事業に取り組むこととなった。以前は大手ゼネコンの下請受注形態が多かったため、利益率も低く、元請けとして工事を受注したいという要望も強かった。
◆事業・活動の内容
 市当局との折衝を重ねた結果、家具工事の分離発注が可能になったことから、共同受注事業を積極的に展開している。入札や説明段階など重要な局面では運営委員会にて協議を行い、組合員への発注については、組合員の繁閑状況を考慮して実施している。組合の手数料は、管理費など1〜3%程度にとどめている。
 工事については、窓口となる企業を1社決めて、全体の管理にあたらせている。
◆成果
 市の小学校や公民館等の工事を中心に8件の受注に成功し、請負金額の合計は約2.5億円にのぼっている。請負金額が1億円を上回る大型提案も2件あり、組合員企業の売上・利益の向上に大きく寄与している。
 高品質の工事を実施しており、1〜2年後の事後検査においても、極めて評価が高く、クレームは1件も発生していない。
 今後は県発注工事への拡大を視野に入れて、陳情を含めた活動を展開していく。


【組合の概要】
所在地:山形市立谷川三丁目988番地
電 話:023-687-3330
設 立:昭和43年2月
組合員:8名

共同受注を通じた
生産性向上
各分野のスペシャリストが集結し、大規模な工事を受注
〜茨城開発事業協同組合(茨城県)〜
◆背景と目的
 景気の長期低迷によって、業界全体が厳しい経営環境に直面する中、組合員企業においても、受注の落ち込みや採算・資金繰りの悪化が顕著となっていた。そこで組合は、組合員企業の財務体質の改善や経営基盤の強化を図るべく、個々の企業では受注が難しい官公需建築・土木事業の共同受注事業に取り組むこととなった。
◆事業・活動の内容
 設立当初は、認知度不足や組合員企業の倒産、業績不振による脱退等が続き、一度取得した官公需適格組合の証明を失効するなど、5年ほどは苦戦を強いられた。その後、官公需適格組合証明を再取得し、競争契約参加資格審査の合算特例を活かして、国や県、市などに上位ランクでの登録を実現。組合員構成を総合工事、電気工事、内装工事、塗装工事、とび・土木を集めた専門工事集団にするなど、様々な改革を行っている。
 また、大手ゼネコンのOBを専務理事に迎え、体制面の強化も図っている。そのほか、電子入札制度にも対応済みであり、積算ソフトも積極的に活用するなど、スピーディーな対応を実現している。
◆成果
 組合による共同受注事業によって、個々の組合員では為しえない大型工事の受注が可能となっている。事業開始後、組合は受注実績を次第に伸ばし、平成17・18年度の受注実績は318,393千円(うち官公需が8件、民需が9件)となっている。また平成19年度も、ひたちなか市や民間工事の受注を確保。上期だけで既に3億円を超える売上を達成している。
 これまでの受注実績は、ほとんどが間接受注となっているが、ひたちなか市をはじめ、元請けでの受注も着実に増加しており、組合による新規受注先の開拓や技術力・信用力の向上など、組合員の生産性向上や経営改善に寄与している。


【組合の概要】
所在地:茨城県ひたちなか市共栄町6-5
電 話:029-354-6377
設 立:平成11年6月
組合員:7人
※本コーナーは、全国中央会が取り纏めた「企業組合事例集」をもとに編集しています。



Copyright 2008 秋田県中小企業団体中央会 http://www.chuokai-akita.or.jp/