2008年版 中小企業白書のポイント Part3(最終回)
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第3部 地域経済と中小企業の活性化
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本誌では、2008年版中小企業白書の概要について、7月号及び8月号で紹介して参りました。今月号では、最終回として「地域経済と中小企業の活性化」についてご紹介致します。
この中では、地域経済の活性化を図るためのヒントを探るべく、中小企業の事業再生や小規模企業の活性化を図るための取り組み、地域における中小企業金融の機能強化に向けた取り組み、中小企業によるネットワークの形成への取り組みが採り上げられております。 なお、詳細は中小企業庁ホームページ(http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/)をご覧下さい。 |
第1章 地域を支える中小企業の事業再生と小規模企業の活性化
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[1] 日本における開業・廃業の動向
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○日本の開業率は、2004年〜2006年に5.1%となり、2001年〜2004年の3.5%から上昇した。その背景としては、景気の回復、創業支援策の充実等が考えられる。2006年時点の中小企業の数は420万社となり、2004年時点の433万社から13万社減少した。
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図−1 事業所・企業統計調査から見た開廃業率
(企業数ベース)
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図−2 企業数の推移
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○「情報通信業」、「医療、福祉」といった業種の開業率が高くなっている。
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図−3 業種別開廃業率
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○都道府県別で見た場合、開業率の高低にばらつきがある。
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図−4 都道府県別開業率(2004年〜2006年)
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[2] 中小企業の事業再生
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○経営がとても困難だと感じたことがある企業は約4社に1社にのぼり、規模の小さい企業ほどその割合は高い。
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図−5 過去3年程度で経営の継続が困難だと感じたことがある企業の割合
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○小規模企業は相対的に「少数精鋭であること」、「職場で培った技術力・ノウハウ」等を強みとして考えている。小規模企業の強みを引き出し、弱点を補完することにより小規模企業の活性化を図ることが重要である。
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図−6 小規模企業が考える自社の相対的な強み・弱み
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第2章 地域における中小企業金融の機能強化
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[1] 地域の中小企業金融の現状
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○ 中小企業においては、規模の小さい企業ほど資金調達を金融機関からの借入に依存している。地方圏では地元の地域金融機関をメインバンクとする中小企業の割合が非常に高く、両者の関係は特に密接である。
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図−7 従業員規模別資金調達構成
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図−8 域内地域金融機関をメインバンクとする企業の割合
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[2] 地域中小企業の資金調達の多様化
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○ 地域金融機関は、担保や保証に過度に依存しない融資を推進する上で、中小企業の技術力や将来性を見る目利き能力を課題と認識している。
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図−9 担保・保証に過度に依存しない融資推進上の課題 (地域金融機関の回答)
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第3章 新たな連携やネットワークの形成に取り組む中小企業
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[1] 中小企業のネットワークの現状と課題
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○ 中小企業の約2割は、他の企業との連携を通じた活動(事業連携活動)に取り組んでいる。また、業種により連携する企業の割合や連携の内容が異なる。
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図−10 事業連携活動に取り組む企業の割合
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図−11 業種別事業連携活動に取り組む内容
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○連携実績のある中小企業は、十分な成果を早期に上げることが連携活動における課題となっている。また、連携実績の有無にかかわらず、最適な相手を見つけることが課題となっている。マッチング、つなぎ役の強化が重要である。
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図−12 事業連携活動に取り組む際の課題
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Copyright 2008 秋田県中小企業団体中央会 http://www.chuokai-akita.or.jp/
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