「地域貢献」をテーマに活性化へのヒントを探る!
〜秋田支店 甲斐支店長に聞く〜

 10月8日(水)、本会主催のポイントカードサミットを、秋田市の秋田ビューホテルにおいて開催した。県内でポイントカード事業を実施している組合関係者等45名が出席し、県内ではまだ導入事例のない「エコポイント」に関する基調講演やパネルディスカッションを通じて、地域貢献によるポイントカードの魅力や向上策について学んだ。その概要は次の通りである。

基調講演「1店1エコ活動による地域商店街の活性化」 〜亀岡商業協同組合〜

講演した田中英也専務理事
 京都府亀岡市(人口約94,500人)にある亀岡商業協同組合は、平成6年にポイントカード事業を行う協同組合として設立し、平成16年にはエコポイントにも対応したカード端末に更新した。これに伴い、平成18年からは全加盟店参加による「1店1エコ」活動を開始した。

エコポイント事業の仕組み
図1 エコポイントの仕組み
 当組合の特徴は、全加盟店参加型のエコ活動であり、小売店舗だけでなく、サービス業の店舗等でもエコポイントに対応している。このため、買い物袋持参はもちろん、飲食店ではマイ箸やマイジョッキを持参するなどしてもエコポイントの対象としており、1回毎に1エコポイント(又は加算ポイント)を進呈している。また、組合事務所にアルミ缶や使用済み食用油等を持ち込んだ場合もエコポイントが進呈される(1アルミ缶1エコポイント、油1リットル10エコポイント)。
 一定のポイントが貯まると景品と交換ができる他、300エコポイント毎に200円のお買い物券とコミュニティポイント10点に交換され、差分は「環境基金」として、亀岡市の環境事業や環境団体の支援に使われる。なお、コミュニティポイントは、当組合に登録された団体が地域通貨として使用することができるポイントで、お客様が登録団体へ寄付することが可能となっている。(図1)

エコポイント事業の実績
図2 カード会員の推移
 エコポイントの発行数は増加傾向にあり、平成16年には約17,261であったエコポイント発行数が平成19年には約30,492(76%増)となっている。また、エコ活動を通して新規顧客の獲得にも成功しており、エコポイント開始当初は約17,000人だったカード会員数が、本年3月には20,000人を超えた。(図2)

今後の活動 〜「1店多エコ」へ〜
 今後、組合では「1店1エコ」から「1店多エコ」を目指していく他、使用済み食用油の回収の強化や高齢者のための宅配サービス事業を試行する等していく方針である。
 講演を行った当組合の田中英也専務理事は、「消費者の生活に更に密着し、『先に立ち、我も立つ=お客様の満足を考えながらも加盟店の経営に資する』仕組みづくりをしていきたい。なぜエコポイントが必要なのかを考え、しっかりとした理念を持つことが大事である。」などと話した。

パネルディスカッション
 パネルディスカッションでは、「エコポイント及び教育助成券制度等による地域貢献策の展開について」と題し、基調講演を行った亀岡商業協同組合の田中専務理事に加え、青森県野辺地町にある野辺地町商業協同組合の江渡正樹理事長並びにあきた共通商品券協同組合の藤木啓二理事長がパネリストとしてディスカッションを行った。

ポイントカードで税金・公共料金の支払い
 パネルディスカッションの中で野辺地町商業(協)の江渡理事長は、本年4月から可能となった、当組合のポイントカード「ふれあいカード」及び「のへじ共通商品券」による税金や公共料金の支払いの仕組みについて触れた。
 支払いの対象となるのは、住民税、固定資産税、軽自動車税、国民健康保険税、後期高齢者医療保険料、介護保険料、保育料、学校給食費で、取扱窓口は役場の税務課で統一されている。具体的な手順としては、
(1) 町民がカードで納付し、町が預かり証発行
(2) 町が同組合でカードを小切手に換える
(3) 町が金融機関で小切手を現金化し納付、町民に領収証を発行
となっており、500円単位で利用が可能となっている。江渡理事長は、「役場としては手間がかかることになるが、カードで回収できることで滞納の解消につながるため、役場には無料で対応してもらっている。」と説明した。

教育助成券制度
 「ほっぺちゃんカード」を発行するあきた共通商品券(協)の藤木理事長からは、県内で唯一行われている教育助成券制度について説明があった。
 当組合では平成19年11月より、満点カードで買い物を済ませたほっぺちゃんカードの助成券部分と教育助成金を引き換えるサービスを始めている。教育助成金を受け取ることができるのは学校や子供会等の団体で、当組合への事前の登録が必要である。消費者は満点になったほっぺちゃんカードで買い物をした後、カードの裏面に付いた「助成券」を取扱店で切り取って登録団体に持ち込み、登録団体は券を500枚集めて組合に申請すると、5,000円の助成金と引き換えられる仕組みとなっている。
 藤木理事長からは、「教育助成券制度を導入してほぼ1年となるが、まだ認知度が低いため普及に力を入れていきたい。」と話した。
 パネルディスカッションの後の質疑応答では、参加者から活発に質問が出され、熱心な意見交換が行われた。なお、このポイントカード・サミットは、11月25日(火)の午後1時より、秋田市のホテルメトロポリタン秋田において「広域連携」をテーマに第2回目が開催されます。詳細については、こちらをご覧下さい。



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