市民市場の生ゴミからできた肥料で栽培された米・野菜を販売!
〜(協)秋田市民市場の“エコ”な取り組み〜

 9月27日(土)、協同組合秋田市民市場(川村忠理事長、72組合員)では、市場から排出される野菜くずや魚のアラなどの生ゴミからつくったコンポスト(堆肥)で栽培された農産物の本格的な販売を開始した。この取り組みは、生ゴミの削減につながるため、生ゴミ処理費用の削減になるだけでなく、二酸化炭素排出量の削減にもつながり、地球環境にも優しい“エコ”な取り組みとなっている。

循環型社会構築への取り組み

生ゴミ(野菜くず)

生ゴミ発酵処理機の内部
 当組合では、循環型社会構築への取り組みとして平成14年12月から生ゴミ発酵処理機を導入してコンポストの生成を開始しているが、今回販売したのは、今年から当組合のコンポストを利用して栽培された米(あきたこまち)とホウレン草の2種類である。
 栽培を行ったのは大仙市にある2農家で、同じく大仙市で肥料や米の販売等を営む(有)柳修商店の柳田聰社長(秋田県主食集荷商業協同組合理事長)に川村理事長がコンポストの利用を相談したところ、この2農家に柳田社長が依頼したのがきっかけである。市場で生成されたコンポストは、柳修商店が農家へ運搬するしくみになっており、市場と柳修商店、農家による連携体制となっている。
 組合では、1日当たり約400〜500キロの生ゴミが出るが、コンポスト生成用に野菜くず・果物、魚のアラ、その他(肉類、食べ残し)の3種類に分別し、通気性を高めるためにおがくずを混ぜて、生ゴミ発酵処理機に投入する。その後、1週間から10日間ほどかけて自然発酵された後、コンポストが生成される。

コンポスト生成から農産物販売までの流れ

コスト削減・CO2削減にも効果を発揮
 処理機の導入前は、市場から排出される生ゴミはすべて事業系一般廃棄物として、多額の処理費をかけて焼却処分していたが、現在ではその6割程度の支出となっており、「処理機の電気代等も十分に賄えるほど節約できている。」と組合では話している。
 また、焼却処分される生ゴミ量の削減にもなることから、二酸化炭素の排出量の削減にも貢献している。

コンポストの効果と今後の取り組み
 米、ホウレン草の他に、農家では小松菜も栽培しており、特にホウレン草、小松菜は「葉の色も濃く、甘みもあって美味しい」との声が多く、評判も上々とのことである。
 川村理事長は、「市民市場のコンポストで作った土で育てた『安全・安心』な農作物を今後も市民市場で販売し、地元生産者との連携による地場農産品の販売拡充につなげていきたい」と話している。



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