【新春特別寄稿】2009年を迎えて
 2009年の新春に当たり、本会の会員組合並びに支援団体の代表者7名の方から次の4つのテーマについてメッセージを頂きました(順不同)。

(1) 組合及び会の紹介・PR
(2) 2009年を迎えるに当たっての目標、抱負、決意など
(3) 秋田県の将来について思うこと
(4) 座右の銘や好きな言葉、または、心掛けていること

秋田たばこ販売協同組合
理事長 原田 啓藏

(本会副会長)
(1) 組合及び会の紹介・PR
 おかげさまで60の年輪を刻みました。創立は昭和24年の4月で、当時の行政庁である大蔵省専売局の行政指導により、当初はたばこ消費税の安定的確保と税の増収策としての協力団体として設立しました。創立1年後には、法改正により事業協同組合法が適用され、行政庁も日本専売公社となりました。
 その後、組合組織の事業も、共同購買・共同受注・情報発信・たばこギフト券の取り扱い・福利厚生事業・宝くじ取り扱い等など発足以来組織活動は順調に推移し、昭和42年には土地を取得し待望の独立したたばこ会館を建設致しました。
(2) 2009年を迎えるに当たっての目標、抱負、決意など
 創立以来、『組合員の繁栄と福祉を基本理念とし、一人は万人のために万人は一人のために』を掲げ、組合員数もピーク時は835名を数えましたが、現在その数は548人と287人も減少致しました。この事は規制緩和による度重なる許可基準の見直しやコンビニ・大型店の進出による小売形態の構造的激変による既存小売販売店の衰退等が考えられます。
 しかし、我々弱小販売店は、協同組合の法の精神である『相互扶助』を念頭に、自主的な経済活動を促進し、経済的地位の向上に向けて今こそ組織を再構築し、時代変化に敏速に対応する心構えを忘れる事なく、改善策を図らなければならないと肝に銘じております。
(3) 秋田県の将来について思うこと
 今次、国内外は未曾有の経済危機に直面し、景況指数はこのところ20ケ月連続して50を下まわり悪化が続いておりますが、県内中小企業は来年以降も数年間は下降線を辿るものと予測されますので、金融・税務・経理・経営・労働等総合的な『サポート』が通常時よりも要請されるものと思われます。
 また、近年は少子高齢化とよく言われますが、高齢化は構造的な現象であり、出生率とも関連しますが、少子化は現在の姿を容認することなく、県の将来を考えると、少子と高齢を区別した捉え方をして、子育て支援にとどまらず、大胆な財政出動をして出生政策を最大限推進することが肝要と思われます。子どもが一人多く誕生することによる様々な需要は測り知れない効果があり、消費による経済効果で県勢の活性化に結びつくものと確信するものであります。
(4) 座右の銘や好きな言葉、または、心掛けていること
 自分の好きな言葉の一つに『青は藍より出でて藍より青し』というのがあります。この言葉を常に心にし、更には自己啓発として、各種団体に所属するものの一人として、或いは家庭においても『創る環境 育てる心』をもち続けている一人なのです。

大館市大町商店街振興組合
理事長 横井 伸一

(本会理事)
(1) 組合及び会の紹介・PR
 当組合は、昭和44年9月に設立し、現在、111名の組合員がおります。主な組合活動としては、ハチ公スタンプ・ポイントカード事業の運営やハチ公パーキングの運営、地域行事への積極的な参加、イベントの実施(アメッコ市・夏祭り・神明社祭典等)などがあります。
 最近は、地域商店街ブランド商品の開発や正札サイダー・ハチ公焼き・ハチ公バーガーの販売等に取り組んでおります。
 また、農商連携事業の推進として、大町ふれあい広場での地産農作物の販売や運営も行っております。
(2) 2009年を迎えるに当たっての目標、抱負、決意など
 2009年は、大町商店街のあるべき姿を確立し、組合員との共有を図りたいと思います。昨年は正札サイダーやハチ公焼き、ハチ公バーガーを組合で考案、販売するなど、街の活性化に向けた様々な取り組みを行って参りました。
 この勢いをさらに加速すべく、個店の活性や街並みのデザイン、核となる商業・公共施設など、街のあるべき機能を盛り込んだプランを組合内外に示し、夢と希望、そして元気のある街への再生へ向けた年としたいと思います。
(3) 秋田県の将来について思うこと
 人口減少や少子高齢化が進展する中、中心市街地の衰退、とりわけ商店街の衰退は、地方都市の高齢者にとっては深刻な問題です。このため、利便性の高いまちづくりや効率的な行政サービスを実現していくためには、「コンパクトシティ」を目指していく必要があります。
 コンパクトシティにおいては、我々中心商店街の担う役割は大きなものがあります。各個店の自助努力はもちろんのこと、行政側からの十分な理解と協力のもと、活気のあるコンパクトシティを形成していくことが重要であると思います。
(4) 座右の銘や好きな言葉、または、心掛けていること
 店はお客様に利用して頂いてこそ存続していけます。「店は客のためにある」という気持ちを一つひとつ、かたちにしていくことで、お客様にとって必要な、利用して頂ける店になるのだと思います。そのためには、「生涯青春」という熱い気持ちを持ち続けることが大切なのだと思います。

秋田県屋外広告美術協同組合
副理事長 石井 正幸
(1) 組合及び会の紹介・PR
 昭和34年、秋田県広告看板業組合として組合員33名で結成。昭和36年政府から正式に認定を受け、昭和45年には秋田県屋外広告美術協同組合として法人化されました。平成元年、創立30周年を迎えるにあたり、組合の念願でもあった屋外広告会館を建設し、2月に落成。当時は組合員72名の研鑽の場となりました。
 組合の対外活動としては、9月10日の屋外広告の日を中心に秋田県公共キャンペーン作品展として、昭和38年より現在まで毎年絶えることなく実施しています。昨年も秋田駅東西連絡自由通路(ポポロード)で開催しました。作品は技法や、アピール、アイディアなどを審査し、秋田県知事賞、市長賞、魁新報社長賞などの上位数点は東北六県公共キャンペーン作品展に出品しています。
(2) 2009年を迎えるに当たっての目標、抱負、決意など
 平成21年は節目の50周年。現在は、組合員32名。屋外広告は景気の影響を受けやすい業界であり、現在の景気低迷の中組合員は試行錯誤の状態でこの難局と戦っていると思います。上部団体である全日本屋外広告業団体連合会(日広連)の傘下のもと、組合員を増員し、組合員一人ひとりの協力を得て、この節目を乗り越えていきたいと思っております。組合としては、組合員への素早い情報の伝達、イベントの共同受注、共同購買、各種共済の充実を図るなど少しでも組合員の役に立てる組合運営を進めていきたいと考えております。
(3) 秋田県の将来について思うこと
 日広連が定める屋外広告倫理要綱の中に、「屋外広告は遵法の精神を尊び都市美の向上をはかり、公衆への危害防止に努めなければならない」という文言があり、年々屋外広告物に対しての規制は厳しさを増して、いかにも違法と見られる広告物が乱立しています。規制を守っている者が報われるような指導をお願いしたいものだと思います。
 また、地元商工業の繁栄なくして、我々業界の繁栄はなし。明るく元気な商店街ができるような政策をお願いしたいと思います。
(4) 座右の銘や好きな言葉、または、心掛けていること
 旅人は一筋の道を歩くなり
 他の道が美しくもあり立派でもあるが
 彼は自分に許された一筋の道を歩くなり
 その道を歩けば何処にゆくか知らぬなり
 されど歩くなり その道のみ
 彼に許された道なり

長沼禅苑企業組合
理事長 鈴木 孝子
(1) 組合及び会の紹介・PR
 平成15年7月、潟上市天王地区唯一の寺院である宗教法人自性院は、天王追分に広大な自然墓地公園「長沼禅苑」を造成しました。この「長沼禅苑」は、豊かな自然環境を取り入れ、地域社会にいこいの場を提供し、禅文化活動の拠点としての運営を目指しております。
 長沼禅苑企業組合は、「長沼禅苑」が目指す地域貢献活動を受託する組織として、平成16年4月に設立。禅苑墓地及び同苑内にある集会所「いこい庵」の管理事業を行うほか、同施設を利用したカルチャースクール(座禅と写経の会、ご詠歌、尺八教室、子ども和楽器教室、お香の会等)の運営と販売業務(墓石、仏具、お香等)を行い、地域住民との心の通う交流の場を創造していきます。
(2) 2009年を迎えるに当たっての目標、抱負、決意など
 禅苑の維持管理及びカルチャースクール運営については、当初の計画通り順調に推移しております。特にカルチャースクールは、定期的な活動として定着し、参加者も毎回数十名となり、徐々にその活動の輪は広がっております。2009年においても、地域住民の方々に喜んでもらえる「地域社会への貢献」をキーワードに、組合員心をひとつに取り組んで参りたいと思っております。
(3) 秋田県の将来について思うこと
 首都や県都といった「中央」に依存する時代は終わり、これからは地域のオリジナル性を中央に発信するのが最良と思います。
 情報化の現代にあって、地域社会も必然的にその波に揉まれます。利益主導を第一に考えた企業の運営は、理念が薄れ、地域からの遊離が破綻を招きます。地域に親しまれ、地域に根ざした企業が竹林の根のように地域発展につながるものと考えております。
(4) 座右の銘や好きな言葉、または、心掛けていること
 「竹は竹らしく生きている、人間も人間らしく生きたいものだ」
 芯が強く、なかなか折れにくい中にもしなやかさを持っている竹が好きです。
 今年はちょうど牛の当たり年になっていますので、どっしり構えて、いざという時には突進できるようにがんばりたいと思っております。

協同組合横手やきそば暖簾会
理事長 伊藤 一男
(1) 組合及び会の紹介・PR
 平成12年秋、横手やきそばで街おこしをしようと、ホームページを制作して紹介したところ、多くのメディアに取り上げていただき、あっという間にブームとなりました。このブームが一過性に終わらないように、一致団結をして対応すべく、平成13年7月に「横手やきそば暖簾会」を設立し活動してまいりましたが、地域団体商標の登録などブランド力を維持し、発展させていくためには、公的な組織である必要性があり、横手やきそば暖簾会を発展的解消する形で平成20年11月に組合を設立しました。
(2) 2009年を迎えるに当たっての目標、抱負、決意など
 全国各地でB級グルメで街おこしをするようになり、愛Bリーグが組織されてから3年になりましたが、横手やきそば暖簾会もその一翼を担い活動しております。
 今年は愛Bリーグ全国大会が9月に横手で開催されますので、まずはその大会を成功させることに全力を注ぎます。加えて、より一層の知名度アップと会員相互のレベルアップを計っていきたいと思います。
(3) 秋田県の将来について思うこと
 サブプライム問題に始まり、あっという間に世界中が不況になってしまいました。秋田県の求人倍率は全国でも最低水準であり、人口減少に加え、高齢化が加速しております。
 人口も企業も都会に集中している今、秋田をいかに魅力あるものにしていくのか。予算がないから、赤字だから、…だからといった理由はつけたらいろいろあると思いますが、まずは秋田に行ってみたい、住みたいと思えるような感性豊かな地域づくりが欲しいものです。
(4) 座右の銘や好きな言葉、または、心掛けていること
 『精出せば凍る間もなし水車(みずぐるま)』
 くるくる回っている水車は錆びることも、冬の寒さで凍りつくこともありません。常日頃の精進が大切だということでしょうか。

秋田県アパレル産業振興協議会
会長 高橋 練三
(1) 組合及び会の紹介・PR
 1986年に秋田県アパレル振興協議会が設立され、2006年には、20周年の記念行事を開催致しました。設立当初は、秋田の縫製業は約980社程ありましたが、現在は半分以下の400社弱になっております。
 会員は当初180社でスタートしましたが、バブル以降現在は59社になっております。
 私共の県内の仲間は非常に協力的で、お互いの技術、情報はオープンにして助け合っております。年に5回くらいの会合を開き、必要な事業を行っております。
(2) 2009年を迎えるに当たっての目標、抱負、決意など
 縫製業は労働集約産業であり、中国を始めとして東南アジアとの競合になっております。アメリカ発のサブプライムローンによる100年に1度の大不況、買い控えが進み、今後どれだけ市場が縮小するか全く先が見えない今、生き残りの為には品質、スピード(早期のもの作り)が必要と考えられます。今出来る事は、仲間と情報を共有し、メーカーに信頼されるよう努力したいと思います。
(3) 秋田県の将来について思うこと
 「教育」が重要な一つになると思います。身につけた教養はその人にとって一生の財産です。全国学力テストにみるように、秋田県の学力は全国でもトップクラスとなっており、経験、勉強を積み重ねることで、さらに視野を広げていってもらいたいと思います。
 これは、秋田を担っていくリーダーにも言えることで、5年10年先を見据えることが出来る人であって欲しいと願います。どんな時も「やり方」はあるはずです。
(4) 座右の銘や好きな言葉、または、心掛けていること
 仕事が来ないのは、私に信頼がないからだ。銀行がお金を貸さないのは、信用がないからだ。と常に「人のせいにしない事」を心掛けている。
 単に全て自分の責任にするというネガティブな発想ではない。可能にするにはどうしたら良いかを考える。出来ないと考える前に、必ず出来る方法があるはずだと思うことである。

秋田県食品研究開発促進協議会
会長 金森 俊和
(1) 組合及び会の紹介・PR
 秋田県食品研究開発促進協議会は、平成14年4月に食品関連異業種8社によって結成しました。秋田県の食品産業が今後発展していくためには、安全で美味しい食を求める消費者の声に応えながら、生産から加工、流通・販売、消費までを一貫させた取り組みが必要と思います。
 そのためには、会員が抱える課題解決の場として、また、地域特性を活かした安全性の高い食品の研究開発を推進する実活動の場として本協議会を位置づけています。
 言いかえれば、農業から消費までの循環型農業生産を基本とした共同研究体の形成による地域食品産業の発展を目指しています。
(2) 2009年を迎えるに当たっての目標、抱負、決意など
 秋田県には良い食材がたくさんあるのに、それを活かしきれず、販売にあまり結びついていないのが現状です。これからは、個々の企業で商品開発をするのではなく、農・林・水産の多岐にわたる業種が集まり、共同で食品開発を行ったり、団地化することによって、これまでにない展開が考えられます。
 加えて、近年は、“環境”への意識が高まりつつあり、製造過程で生まれる食品残渣等を利用した堆肥生産とその利用など、当協議会の目標である、循環型農業生産を基本としたビジネスモデルが求められています。
 2009年は、これらの実現の第一歩とすべく、コアとなる構想を作り上げていきたいと思います。
(3) 秋田県の将来について思うこと
 経済的な視点から秋田県の将来を考えた時、目指すべき方向をはっきりさせることが大事だと思います。また、具体的な結果を残すためには、何に重点を置くかを明確にし、横並びではない予算計画が求められているのではないでしょうか。選択と集中が秋田には必要です。
(4) 座右の銘や好きな言葉、または、心掛けていること
 「誠意・熱意・創意」という言葉を常に心の中に持っています。何事にも「意」をもって取り組むことが重要だと思います。仕事でも、それ以外でも「意」があれば、必ず実現すると思います。



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