改正組合法への対応はお済みですか?(2)
〜監事の職務の留意点について〜

 平成19年6月29日に施行された「中小企業地域資源活用促進法」に基づき、秋田県では、123の地域資源が指定されていますが、その地域資源を活用して国の認定を受けた県内事業者による「地域産業資源活用事業計画」は、11月1日現在、5つとなっております。
 本会では、「地域力連携拠点事業」による支援の一環として、11月5日(大館市)、11日(大仙市)、18日(秋田市)の3日間に亘り、地域資源活用プログラムに活用促進を目的とした「地域資源活用セミナー」を開催しましたが、今回は、その中で説明のあった地域資源活用プログラムの概要及び認定のポイント等について、ご紹介致します。

監事の権限強化の背景
Q. 改正組合法により監事の権限が強化されましたが、その背景は何ですか?

A. 平成19年4月の組合法改正は、貸付金の不良債権化や理事が組合を私物化して不適正な資金運用をするなどの不祥事が続いたことから、理事による業務運営に対する監視機能を強化することを目的に、監事の権限強化を図るものです。
 具体的には、従来の会計監査権限に加え、原則として業務監査権限も付与されました。

業務監査権限の有無による職務内容
Q. 改正組合法により監事の権限が強化されましたが、業務監査権限の有無によっての職務内容は具体的にどのような違いがありますか?

A. 平成19年4月の組合法改正は、貸付金の不良債権化や理事が組合を私物化して不適正な資金運用をするなどの不祥事が続いたことから、理事による業務運営に対する監視機能を強化することを目的に、監事の権限強化を図るものです。
 具体的には、従来の会計監査権限に加え、原則として業務監査権限も付与されました。

項 目
業務監査付与監事
会計監査限定監事
理事会への出席
必要
不要
(ただし、出席可)
出席した理事会議事録への署名又は記名押印
必要
必要
理事会の招集手続の省略のための同意(全員)
必要
不要
理事が提出した総会議案・書類に関する調査結果の報告
法令、定款違反若しくは、著しく不当な事項がある場合に必要
決算関係書類のほか、これに準ずるものに関して必要
総会への監事の選任に関する議案を提出するための同意(過半数)
必要
必要
総会への理事会決議による役員の責任免除に関する定款変更議案を提出するための同意(全員)
必要
総会における監事の選任・解任・辞任又は報酬への意見陳述
可能
可能
理事に対する監事の選任を総会の目的とすること又は総会への監事の選任に関する議案の提出請求
可能
可能
理事会の招集請求
可能
不可能
理事会での意見陳述
可能
不可能

理事会議事録への署名又は記名押印
Q. 監査権限限定組合の監事が理事会に出席した場合、議事録への署名又は記名押印義務は課されますか?

A. 定款の規定により会計監査に限定された監事には、理事会への出席義務が課されませんが、理事会の議事録への出席監事の署名又は記名押印義務の規定には、業務監査権限の有無についての区分がないことから、理事会に出席した場合には、署名又は記名押印義務を負います。

事業報告書・決算関係書類が理事会で否決された場合の対応
Q. 監事による監査を受け、監査報告書が提出された後に開かれた理事会において、当該決算関係書類が否決されました。その際、どのような手順で承認を求めることになるでしょうか?

A. まず、剰余金処分(損失処理)案についてのみ理事の承認が得られなかった場合においては、否決という手段ではなく、理事会内で十分検討を重ねて、組合法及び定款に沿った原案とすることが必要です。
 この際、監事が承認した剰余金処分(損失処理)案については、同席した監事に承認を求めるか、監事が欠席の場合には事後に承認していただくことで足りると考えられます。
 次に、決算関係書類そのものの不備や、事業執行内容について議論が分かれ、結果として承認されなかった場合については、理事会で再度決算関係書類の調整、剰余金処分(損失処理)案を作成しなおした上で、再度監事の監査を受けることが必要と判断されます。

総会における監事選任等の意見陳述
Q. 監事は、総会において、監事の選任・解任及び辞任について必ず意見を述べなければなりませんか?

A. 監事は、監事の選任・解任について必ず意見を述べなければならないわけではありません。今回の改正は監事にそのような機会を保障することによって、監事の地位の強化を図ろうとする趣旨に基づくものです。したがって、組合が監事に意見があるにもかかわらず、正当な理由がなく陳述の機会を与えずに選任・解任を行った場合は、総会決議の取消事由に当たるものと解されます。
 また、任期途中で辞任した監事に対しても、辞任後最初に招集される総会への出席及び意見陳述(辞任した旨、その理由)が認められていますから、総会を招集する旨を当該監事に対して通知しなければなりません。
 なお、監事は、自己についてだけでなく、他者の選任・解任についても、総会において意見を述べることができます。

組合員による理事会の招集請求
Q. 監事の権限を会計に関する監査に限定している組合は、組合員に理事会の招集請求権が与えられていますが、監査権限限定組合の組合員による理事会の招集請求は組合員1人から行うことができますか。また、「組合員の○人以上の請求をもって」というような制限を定款に規定することは、法律上問題がありますか?

A. 組合員による理事会の招集請求は1人でも行うことができます。法律上、定款等により制限を設けられるような規定になっていませんので、定款で限定することはできません。

総代会制をとっている組合の理事会招集請求
Q. 総代会制をとっている場合、監査権限限定組合の組合員が有している理事会招集請求権については、「総代」と読み替えてもよいでしょうか?

A. 読み替えることはできません。総代は組合員であるので、1人の組合員として理事会の招集請求権を行使することはできますが、総代である組合員だけに理事会の招集請求権の行使を限定することはできません。

ご不明な点は、本会までお問い合わせ下さい。
連携組織支援部(Tel.018-863-8701)
大 館 支 所(Tel.0186-43-1644)
横 手 支 所(Tel.0182-32-0891)

※ この記事は、全国中小企業団体中央会作成の「新しい中小企業組合制度への対応のための100問100答」(下記URLで閲覧可能)を基に作成しております。
http://www2.chuokai.or.jp/hotinfo/shin-kumiaiseido0809.pdf



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